ニキビ痕にも糖質回避は有効!?

ニキビ(尋常性ざ瘡)は糖質回避で改善するのは間違いなさそうです。全員が改善するのかどうかはまだわかりませんが、糖質回避を試された9割の人が改善していますので効果を議論する必要はなさそうです。ニキビをはじめとした糖質回避による病気の改善率はこちらをご参照ください。

今回はニキビ痕に対しても糖質回避が効果がある可能性についてです。これまでニキビ痕に対して有効な治療法は自費診療のレーザー治療を除いてほとんどありませんでした。ある種のニキビ痕には糖質回避が効果があるかもしれません。ニキビ痕には赤くなるタイプと陥凹するタイプがありますが、効果が期待できるのは、赤くなるニキビ痕です。陥凹しているニキビ痕はレーザー治療が最善の治療法だと思います。

明らかな感染はおさまったにも関わらず、赤いニキビ痕として残ることがありました。創傷治癒の過程で皮膚の浅い部分に血管が迷入したまま治る機序を考えていました。もしくは何らかの原因で血管が拡張したままになることで赤みが持続するのだと考えていました。そのためレーザーで血管を焼くことでニキビ痕が改善するのだと理解していました。

ニキビの方が糖質回避をすることでニキビは改善するのですが、ニキビ痕も改善することに気づきました。ケロイド(肥厚性瘢痕)も糖質回避により改善することから一つの仮説を立てました。

ニキビ痕の赤みは肥厚性瘢痕と同じような機序で生じているのではないかと思います。肥厚性瘢痕やニキビ痕は、線維芽細胞などの創傷治癒に関わる細胞に対して自己免疫が働いている可能性を考えます。治癒過程にあると治癒に関わる細胞が自己免疫により攻撃され、攻撃されていると細胞が損傷されるので、治癒過程が継続する可能性が考えられます。この反応が軽度なら赤みを伴うニキビ痕の状態であり、反応しすぎると肥厚性瘢痕やケロイドになるのではないかと思います。治癒に関わる細胞に対する自己免疫の引き金が、糖質の摂り過ぎによる高血糖による糖化産物なのではないかという仮説です。何れにしても、糖質を避けることでニキビだけでなくニキビ痕にも効果が期待できる可能性があります。

薬を使う治療とは異なり、糖尿病や腎機能障害などの基礎疾患がなければ糖質回避は害がないので、リスクを負うことなくニキビやニキビ痕を治すことが出来るかもしれません。糖質回避を第一選択として試してみても良いと私は思います。