言い訳と説明の違い

言い訳と説明の違いの検索で当サイトにたどり着いてくださった方がおられました。
前回は言い訳と説明の違い その境界線として、言い訳される人の立場で書いてみました。
今回は改めて言い訳と説明の違いについて、言い訳している人の立場から書いてみたいと思います。自分で言い訳していると自覚していない人もいると思いますので、自分での見分け方の視点から書いてみます。

言い訳と説明の決定的な違いは目的です。言い訳の目的は自分の責任ではないことをわかってもらうこと、説明の目的は相手のわからないことを理解してもらうことです。つまり言い訳は自分のため、説明は相手のために行います。自分のために聞いて欲しいのは言い訳で、相手の求めに応えるのが説明です。

説明の目的が自分のためであれば、言い訳だと思います。
自分の都合で理由を聞いてほしいと思うのは言い訳を聞いてほしいのです。
相手が理由を求めているのであれば、それは説明を求められているのです。相手の求めに応じて理由を伝えることは言い訳ではありません。理由を説明するのです。

相手が求めていることを伝えるのか、相手が求めていないことを伝えるのかが言い訳と説明の違いです。

言い訳と説明の違い ~遅刻を例に~

例えば遅刻をした場合を考えてみてください。
相手が何故遅刻をしたのか理由を求めた場合、理由を伝えることは説明です。
相手が理由を求めてもいないのに、自分から理由をいうのは言い訳をしているのです。
遅刻をした理由は相手には関係がないことです。
不可抗力による遅刻であればやむを得ないとして、酌量の余地があるかどうかを考えてくれる人は理由を聞いてくれます。相手が理由によって判断を変えてくれる人であれば、遅刻の理由を伝えることは意味があるかもしれません。しかしあくまでも理由を求められた場合に伝えるのです。
遅刻した時間は取り戻せるわけではないので、遅刻の理由に興味がない相手もいます。興味がない相手に理由をわざわざ伝えても、時間の無駄だと判断されてしまいます。
求められていないのに理由を言うことが言い訳だと判断されてしまいます。

自分が遅刻の理由にこだわる人は、相手も理由が大切なはずだと思い込んでいるのです。だから自分が言い訳をしているとは想像すらしていません。遅刻の理由に興味がない人がいるということが理解できないため、相手も自分と同じで理由が大切なはずだから、必死で理由を説明しているつもりなのです。

遅刻自体で時間を無駄にしているのに、更に言い訳を聞かされて時間を無駄にするのは許せない人も多いと思います。理由が何であっても時間を巻き戻すことはできません。であれば理由は大した意味はありません。自分にとっては遅刻の理由は次に遅刻をしないために対策を考えるという意味はありますが、相手にとっては何も意味をなしません。

遅刻の理由を求められてもいないにも関わらず、わざわざ伝える目的は少しでも遅刻の落ち度を許してもらうことです。決して相手のためではありません。

言い訳か説明の違いを見分けるには、誰のために説明しているかを考えれば目的が理解できると思います。もし自分では判断つかないのであれば単純に考えて、相手に求められてもいないのに理由を説明していれば言い訳をしていると自覚しましょう。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。