利益を目的にすると判断を誤る

経営不振に悩む企業が見受けられます。
私は利益を目的にしているから、判断を誤るのではないかと思います。企業が利益を求めるのはいわば常識ですが、最近では利益を目的としない企業が出始めました。利益ではなく理念を目的としています。それらの企業でも利益は得ていますが、利益は目的ではなく手段として得ています。会社を維持するための運転資金として利益を考えているのです。

利益は企業の為ならず

という諺を新たに考えました。利益を求めると企業のためにならないという考え方です。

経営不振に陥っている企業がはまっているのが、利益を追い求めているからではないかと思います。企業の利益と顧客の利益は相反します。企業の利益を求めると顧客は不利益となります。そのさじ加減が難しく、高くても売れると思うと利益のために高く売り、売れないとわかれば利益を削って安く売ります。つまり(自分達の利益のために)高くても売れる価格で売ろうとするのです。利益を最大化する売り方を模索し、顧客のニーズとズレることで経営不振に悩むのです。

利益を目的としない企業は、原価に適正な利益を加えた価格で売ります。元々利益を目的としていないので、利益を目的とする企業よりも安く売ることが出来ます。利益を求めていないことを顧客に理解してもらえると、好循環を生み急速に事業が拡大していきます。急拡大している理由は、利益を求めていないからです。適正な利益のつもりで売り出しても、予想外に利益が出れば、次の適正な利益を少なくするように調整するのです。

利益を追い求めている企業はそろそろ別の目的を探すべきではないかと思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。