GI値(グリセミック指数)の意味と問題点

低GIダイエットなる言葉まであるようなので、GI値(グリセミック指数)の意味と問題点をまとめてみたいと思います。

ウイキペディアによると

グリセミック指数 (glycemic index) とは、食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値である。食品の炭水化物50グラムを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表す。血糖値の時間変化をグラフに描き、その曲線が描く面積によってGI値を計算する。

だそうです。食品に含まれる糖質の量をブドウ糖と揃えて比較し、消化・吸収・インスリンの反応性を相対的に表すものです。

食品に含まれる炭水化物を50g摂取した際の血糖値の上昇具合を比較しています。つまり食品によって炭水化物を含む割合が異なるため、食品の摂取量が異なるものを比較した結果です。

問題点

学問的には比較するためには糖質の量を揃える必要があったのでしょう。しかし現実的には比較試料に含まれる炭水化物・糖質の量が同じになるためには、比較試料の重量が異なる状態での比較データということになります。

ウィキペディアによると

GI値は一食分あたりではなく「炭水化物50gあたり」の試料で比較するため、比較試料の重量にも気を付けるべきである。具体的には、ウドン約88g、ソバ約70g、砂糖50g、スイカ約660gを比較する事になる。炭水化物の非常に少ない肉類などは実質的に測定不可能である。例えば豚モモ肉は100gあたり炭水化物量が0.2gのため、およそ25kg摂取しなければ測定できない。絹ごし豆腐は100gあたり炭水化物が2gなので、おおそ2.5kg摂取しなければ測定できない。

一般的な認識からすると違う重さの食品を食べた状態での血糖値の上昇具合を比べても意味はないと思います。糖質が多く含まれていないものは、糖質が同じになるまで沢山食べて、比較することに意味を見出せません。

意味を持たせることが出来るとすれば、食品50gを食べた状態とブドウ糖50gを食べた状態とを比較して、血糖値の上昇具合を相対的に表すことだと思います。BS(血糖値)上昇指数とでもするべきです。

食べ物の量が異なるにも関わらず、食べ物の中に含まれている糖質の量だけをとらえて比較することが実生活に意味を見いだせるとは私は思いません。

GI値は糖質を多く含むお米やパンなどでは多少は参考になるかもしれませんが、元々糖質を含む量が少ない肉などでは全く意味のない数値となります。つまりGI値を見る際に元々の糖質の含有率を別に調べないと意味の判断がつかないのです。別の情報がなければ判断できない値に振り回される必要はないと思います。

GI値の目的はある食べ物がどれだけ血糖値を押し上げるかを知ることだと想像しますが、それならば食べ物の中で血糖値を直接押し上げるのは糖質だけなのですから糖質の量だけを参考にすればよいことです。GI値などという小難しい考え方など私は必要ないと考えます。糖質の含有量あるいは含有率を参考に血糖値の上昇しやすさを判断し、食べ方を検討することが合理的だと考えます。

GI値ではなく炭水化物・糖質の含有率を参考にするようにしましょう。糖質の含有量は多くの食品に記載されています。タンパク質・脂質との割合の高いものは血糖値を素早く押し上げます。逆に炭水化物・糖質の含まれる割合の低いものは血糖値を緩やかに上昇させます。それだけのことです。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。