リブレ 血糖値持続測定器

血糖値持続測定器(Free Style リブレ フラッシュグルコースモニタリングシステム)を購入しました。アボットジャパンから2017/1月に発売になりましたが、人気が非常に高く品薄のため入手が5月になりました。

今のところ健康保険の適応はないため使用するためには自費になってしまいます。病院によって価格は異なりますが、恐らくセンサー(14日分)・Readerキットそれぞれが1万円前後の自費診療になると思います。スタートする際には2万円程度になるのではないかと思います。追加の場合にはReaderキットは追加購入する必要がないためセンサー(14日分)のみの追加購入で済みます。

センサー

リブレ センサー 血糖値持続測定器
リブレ センサー
血糖値持続測定器

リブレのセンサーを装着した状態です。動きにくい上腕後ろ側に装着しました。

 

リブレ センサーアプリケーター
リブレ センサーアプリケーター

センサーアプリケーターという機械が同封されているためセンサーをセットし、押し付けるだけです。センサーには針が付いているためそれなりの痛みを覚悟していましたが、センサーアプリケーターを押し付けるとバネの力で一瞬で装着が完了します。装着前にアルコールでの消毒を推奨されていますが、消毒というよりは接着を邪魔する皮脂を拭き取る目的のようです。

 

最終的にしっかり押し付けると完了します。

最大14日間持続測定が可能です。

Reader キット

測定器のコントロールを行います。使用開始、読み取りを行います。

リブレ Readerキット
リブレ Readerキット

センサー装着後Readerキットを使ってセンサーの測定をはじめる初期化を行います。初期化に1時間かかります。センサーには8時間データを記憶出来るので少なくとも8時間毎のデータの吸い上げが必要です。センサーは15分毎の血糖値の検査をしているようです。Readerキットのボタンを押してかざすだけで一瞬で読み取れます。服の上からでも読み取ることが出来ます。

Free Style リブレ フラッシュグルコースモニタリングシステムの利点

Readerによりリアルタイムで血糖値を確認できます。血糖値を測定する度に針で刺して痛い思いをする必要がなくなりました。Readerのボタンを押してセンサーにかざすだけで簡単に血糖値を測定することができます。

また食べたものがダイレクトに血糖値に反映することを実感できるため、糖尿病の方の血糖値のコントロールが良くなると思います。何故ならこれだけ食べれば血糖値がこれだけ上がるということを日々フィードバックしながら食べ方を工夫することができるからです。更に完全な手探りではなく、糖質を食べると血糖値が上がることが分かっているため糖質の食べ方だけ気を付ければよいからです。リブレは糖質の食べ方のわかりやすい目安になりえると考えています。

これまでも血糖値持続測定器はありましたが、リブレが優れている点があります。旧来の血糖値持続測定器は測定開始時に実際に血液を採って血糖値を測定し補正する必要がありました。リブレは血液による補正が必要ありません。

これまでの血糖値持続測定器と比較すると非常に安価な点も大きな利点です。

リブレの問題点

2017年5月現在保険適応がないこと。機械は他の持続測定器と比較すると安価ではありますが、全額自己負担となると負担額が大きくなることが問題です。針で刺す痛みがないことはメリットですが、今のところ保険適応がないため自己負担額を考えると悩ましい問題だと思います。

リブレの使用は私のように研究目的か、今のところどうしても痛みを避けたい患者さんに限られると思います。保険適応となるとかなり普及すると思います。

入浴などは問題なくできるのですが、運動されて日頃から汗をかく方には不向きかもしれません。

また現在のシステムでは血糖値の日内変動グラフを得ることはできますが、測定ボタンを押していない任意の時間の測定値を知る方法はありません。
コンピュータに接続してもグラフが得られるのみで、測定時間と測定値の生データを手に入れることはできません。
糖尿病治療の補助目的ではなく、私のように食事と血糖値の変動の解明という研究目的の場合生データの取り扱いを出来るようにするなど改善の余地があると思います。

コンピュータに接続しデータの書き出しを行うことでCSVファイルで情報を取り出すことができます。パソコンと多少の取り扱いの知識は必要ですが、生データを参照し必要な部分のグラフを作成することができます。(2017/5/31追記)

リブレ 血糖値持続測定器からわかること

食事と血糖値の関係をリアルタイムで好きな時に知ることができます。
食べると上がることを目の当たりにすると、怖くて食べられなくなるかもしれません。

まだつけ始めて間がないのですが、思いもしなかった夜間の低血糖(病的意義は不明。グラフからは70mg/dl程度です)がわかりました。病的な程ではありませんが、夜間血糖値が下がっていることがわかりました。夜間眠れないのは高血糖ではなく低血糖だったかもしれません。

まだ使い始めたばかりなのでわかったことがあれば改めて掲載していきます。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。