後で条件を出された場合 目的を訊ねる

議論や審議の途中、後で条件を出される場合があります。
世間一般では理由を聞きますが、無意味です。何故なら理由とは言い訳を考えているに過ぎないからです。百歩譲って理由があって後から条件を付け足したのかもしれませんが、他に理由があっても本当のことが言えないからそれらしい言い訳と区別がつかないのです。
理由を聞くことが時間の無駄なのは、本当の理由・判断の根拠なのか言い訳なのかを聞いた側が知恵を使って見極める必要があるからです。言い訳を論破するにはかなりの労力と知恵を要します。

後で条件を出された場合には、後で条件を付けくわえた目的を訊ねるのです。問い質すという方がもしかしたら正確かもしれません。
理由はいくつでも出てきます。言い訳なのですから、それらしく聞こえる理由を並べればよいからです。しかしかなりの知恵がなければ目的をすり替えることは困難です。少なくとも私の知恵では目的をすり替えて答えることはできません。目的がないということはあり得ません。人間の行動には目的を自覚しているか自覚していないかに関わらず、必ず目的があるからです(目的論)。

少し前に提案したのは獣医学部新設の問題点 後出しジャンケンに書いた、獣医学部新設の審議の際、後から同一地域に獣医学部がないことという決定的な条件を付けくわえたことです。本当に同一地域に獣医学部がないことが重要であれば、最初から設定されるべき条件です。最初からこの条件が設定されていれば、他大学も四国での開学を目指したはずです。他地域での開学に向けて無駄な労力を使う必要がなかったはずです。

例えば出された条件で案を作成し、提出した後で更に条件を突き付けられた場合に目的を訊ねることは重要です。何故なら思いつきで条件を突き付けたのであれば、再度提出しても更に条件を加えられる可能性があるからです。目的・方向性が前もってわかっていれば、対策もできる可能性があります。目的を教えてもらえないのであれば、付け加えた条件は獣医学部新設の時と同様断るための言い訳に過ぎません。目的を訊ねることは言い訳を見極めるために非常に有効です。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。