間違いを正す仕組み

人間のやることには間違いがつきものです。人間である限り物事を絶えず完璧にこなすことは不可能です。

であれば、間違いを正す仕組みが必要なはずです。間違いを修正する仕組みと言い換えても良いかもしれません。政治が混沌としスッキリしないのは間違いを正す仕組みが存在しないからではないでしょうか?

世界的に主流の経済の仕組みは資本主義ですが、間違いを正す仕組みが自然に働くため繁栄しています。何故なら間違った商売は選ばれることなく物やサービスが売れず淘汰されてしまうからです。多くの人が求める商売が結果的に正しいとわかるのです。丁度生物が自然に適したものが生き残ることに似ています。そのため民間企業は自己責任において様々な商売を行い、適切な商売は繁盛し不適切な商売は淘汰されるのです。不適切な商売を行うと人々に選んでもらえず、経営が成り立たないことで自然と正されます。間違いが自然と正される仕組みが資本主義の本質です。

資本主義は自然淘汰の仕組みが備わっているため、成り行きに任せておけば優れたものが勝手に生き残ります。そのため商売を始めようとする人は、前もって出来る限り知恵を働かせるのです。資本主義の利点は自然の成り行きに任せれば良いため、間違いを正す仕組みを必要とせず、管理者が不要であることです。

自然の成り行きに任せれば良いため資本主義が選ばれているのです。人間が考え出した様々な物事には間違いを正す仕組みが必要です。例えば医者の間違い、医療ミスを正す仕組みとしては裁判があります。間違いを正す仕組みがあるから、間違いをおかさないように気をつける心理が働くのです。もし今でも医療ミスという間違いを正す裁判という制度が無ければ、患者さんは泣き寝入りするしかありません。医者も気をつけるという発想はないでしょう。もし裁判という医者の間違いを正す仕組みが無ければ、自分の行動は全て正しいと勘違いしてしまう医者だらけになっていることでしょう。

人間がやることは間違いだらけです。その中から最適解を手探りで探しているような状況です。間違いがあってはいけないとして隠すから解決が遅れたり泥沼に陥ったりしてしまいます。人間だから間違いが当たり前で、間違いがあれば正せばよいと考え方をそろそろ変えないと勿体無いと私は思います。イジメがなくならないのはイジメがあってはならないという視点から物事を眺めているからです。イジメは一定割合で起こるものだから大事に至る前に解決という視点に立つことです。これも間違いを正す仕組みの一つだと思います。

間違いは起こるものなので、大事に至る前に正す仕組みを作りましょう。例えば議員さん達が様々な問題を起こしても身分が保証されているため剥奪されることはありません。特に政党の比例代表で選出された議員は、政党の代表として選出されているので政党をやめてしまえば議員資格を喪失するはずです。にも関わらずそのような仕組みが存在しないため、開き直ることで議員に居座ることが出来てしまいます。少なくとも政党の比例代表は離党すれば議員資格喪失という仕組みにするべきです。そうしないのは法律を作る自分達政治家がいつそういった状況に陥るかわからないからではないでしょうか?

小学校新設問題、獣医学部新設問題など間違いは起こるものです。責め立てると必死で隠そうとしてしまいます。当然犯罪の責任はとってもらうのですが、間違いの起こらない仕組みつまり再発防止策に協力してくれれば減刑などのメリットを与えることで経緯を全てはっきりさせるべきです。そもそも間違いは無いという視点で制度設計されてしまっているため、綻びが出ると今回のように大騒ぎになってしまいます。そろそろ行政にも間違いを正す仕組みを取り入れて欲しいですね。私の思い付く具体的な間違いを正す仕組みについては改めて書きたいと思います。

第二次世界大戦も間違いを正す仕組みが存在しなかったため、結果として原爆という悲劇に行き着いたのではないかと思います。何故なら戦争の勝敗という意味では、戦争開始して一・二年もすれば決着はついています。何しろ日本には資源がないのですから戦争が長引けば長引く程不利になります。戦争の間違い、つまり負けを認める仕組みが無かったため原爆という決定打を打たれるまで受け入れられなかったのです。しかも広島だけでは間違いを認められず長崎にも落とされてようやく受け入れることが出来ました。

そもそも戦争をすること自体が間違いですからありとあらゆる手段を講じて間違いを避けるべきです。万が一間違いが起こってしまった場合には、出来る限り早く被害が少ないうちに正す仕組みを考えるべきです。間違いは起こらないから考えないではなく、間違いは起こるから正すという考え方をするようにしましょう。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。