糖尿病警察・糖尿病ポリスという考え方

つい最近知った概念ですが、糖尿病警察あるいは糖尿病ポリスという考え方があるそうです。もしかしたら糖尿病を専門に診ている先生方にとっては常識なのかもしれませんが、私は糖尿病を専門にみている訳ではないためか全く知りませんでした。
しかし糖尿病警察・糖尿病ポリスという概念を知るとすぐにその心理も理解できました。不謹慎狩りをする人達の心理と同じのようです。

糖尿病警察・糖尿病ポリスとは、糖尿病を患った人に対してあたかも警察が犯罪を取り締まるかのごとく糖尿病が悪化する生活習慣に対して責めたてる人達のことです(参照:糖尿病ポリスとつきあう6カ条)。主に家族をさす概念のようですが、一部の勘違いした医者も糖尿病警察・糖尿病ポリスとしてふるまっているのかもしれません。

元々は糖尿病の患者さんを心配する心理から生じる反応ですが、糖尿病を治す方向に向かう生活習慣を正義とし、糖尿病が悪化する生活習慣を悪とすることで善悪を判断する考え方のようです。糖尿病警察・糖尿病ポリスは自分が正義の化身として振る舞うことで行き過ぎた行動をとってしまうようです。通常は糖尿病で困るのは患者さん本人です。困らない人が他人の問題に口出しするのは越権行為・余計なお世話です(参考:人の問題に口を出さない~問題論~)。確かに合併症によっては家族に負担をかけるかもしれません。しかしその負担を恐れるあまり、患者さんに対して過剰ともいえる責めたて・取り締まりを行ってしまうのです。これこそが不謹慎狩りをする人達の心理そのものです。不謹慎なことをしている人達に対して、自分が困らない問題にも関わらず、自分が正義として責めたてるのです。

糖尿病警察・糖尿病ポリスにとっては糖尿病を治す生活習慣が正義です。糖尿病を悪化させる生活習慣が取り締まるべき悪です。

あくまでも病気は患者さん当人の問題です。他人が口出しすべきことではありません。

しかもその糖尿病を治す正義とされる生活習慣が間違っていれば悲劇です。糖尿病において重要なことは食後血糖値であってカロリーではありません。カロリーコントロールをしても食後血糖値は改善しません。何故ならカロリー説で最も避けるべき食材、脂質は直接血糖値を上げることはありません。むしろ脂質を食べることで糖質による血糖値の上昇を妨げてくれます。

糖尿病警察・糖尿病ポリスとは少し話がずれますが、私の患者さんで可哀想な食事指導をされていた方がおられました。糖尿病の患者さんが脂質は避けるように言われているそうです。だから唐揚げが好きなのに我慢しているそうです。驚いたことにキツネうどんを食べる際に油揚げをわざわざ食べずに我慢して、うどんだけ食べられるそうです。指導通りにしているにもかかわらず、血糖値が下がらず悩んでおられました。唐揚げは血糖値を上げるのを妨げてくれる(参考:おにぎり2個と唐揚げの食後血糖値)ことをグラフを見せながら説明すると速やかに理解して下さいました。何より指導通りにして血糖値が下がらない理由が理解できてスッキリしたご様子でした。何よりもうどんだけ食べることが問題であることをお伝えしました。

対策

周りに糖尿病警察・糖尿病ポリスのように取り締まりを行う方がおられてお困りでしたら、糖尿病を患う自分の問題であって他人が口出しする問題ではないことを伝えましょう。不謹慎狩りの心理を理解しておくと、相手が何故そのようなことを言うのか理解出来るので嫌な思いをしなくて済むようになります。

また正しい知識を身につけて、間違った取り締まりに振り回されないようにしましょう。

自分が糖尿病警察・糖尿病ポリスにならないために

私は患者さんに食事指導をする際に責め立てるような言い方にならないように気をつけています。食べ方を変えられなくても私は困りませんが、食べ方を変えられる方が様々な病気が改善されるからお得ですよとお伝えしています。

自分が糖尿病の方を責め立てているなと思ってしまったら、食べ方に気をつける方が血糖値が上がりにくくなるから糖尿病が改善する分お得ですよと伝えていただくと糖尿病警察・糖尿病ポリスと煙たがられることは無くなるでしょう。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。