成人の日の着物バブルに思う

成人式という晴の日に着物を着ることを約束して多額のお金を支払わせた後で、成人式当日に音信不通になるという事態が発生しました。実際に事件として立件されるかどうかは不明ですが、現時点で伝え聞こえる情報からするとかなり怪しいとは思います。事件なのかただの倒産なのかはこれから明らかにされると思いますので、そのことには触れず別の視点から書いてみたいと思います。

成人式に着物の準備と着付けをするという体験の提供に価値を見出す人達に高値で売るということです。
成人の日という1年のうちの1日に着るだけでテクニックの必要な着物を着る需要が殺到するため、レンタルと着付けの価格が急騰していることが問題です。1日に集中するため、着物を持っている会社の言いならざるを得ないのが現状です。

いわば成人のお祭りに衣装として着物を選ぶことを選ぶ人が多いことに起因しています。需要が1日に集中していることが原因です。確かに晴れの日として着物を着ることに意味があると考える人が多いのも事実です。しかし1日でもずれていれば需要は一気に減ります。しかも供給は成人の日に合わせて準備しているので、潤沢にあります。成人式が終わってから着物を着る人が少ないからです。結婚式で着るくらいでしょう。

今回の成人式の当日夜逃げした事例は、成人の日の着物バブルへの警鐘ではないかと私は思います。何故なら着物のレンタル・着付けが1日に集中することで費用が急騰しているからです。誰かが成人式当日は友達の結婚式に着ていける身軽なスーツにしましょう。そして成人の記念に前撮りとして着物を着付けして写真に残しましょうという価値観が広まれば、成人の日の着物バブルは終焉すると思います。成人の日1日に集中するため費用が高騰しますが、日にちが分散することが出来れば、少なくとも費用は半額、場合によっては3分の1や4分の1に抑えることが出来るのではないかと思います。

成人の日1日に着付けが集中するため、成人の日の朝4時や5時から着付けを行うというのは異常なように私は思うのです。

成人式の当日はスーツ、写真は前撮りあるいは後撮りが需要が分散するため費用が抑えられて合理的だと思います。
もちろんみんなが着物を着ることを否定する訳ではありません。成人式に着物を着ることに何十万円もの価値があると考え、朝早くから着付けを行いたい方は着ればよいのです。ただみんなが着ているから自分も着るとして流されている方は、一歩立ち止まって本当に自分にとって何十万もの価値があるのか考えてみるとよいのではないかと思うのです。

これは私の空想ですが、結婚式を挙げないカップルが増えているので結婚式場が苦労していると聞きます。であれば内輪で結婚式場で成人式を成人の日以外の日に行うのはありではないかと思います。結婚式は新婚カップルが主役ですが、結婚式場で行う成人を主役とした成人式をを親戚や友達同士で着物を着て祝うのもありではないかと私は思います。これも着物を成人の日以外に着るように分散する手法の一つだと思います。

成人式の一つの提案

場合によっては、結婚式場が主催して知らない人同士の成人式を行い、希望者だけが集まるのもありだと思いますし、成人になる同級生が集まって同窓会として結婚式場で成人式を行うのもありだと私は思います。いわば民間の成人式です。
どれだけ賛同される方がおられるかはわかりませんが、少なくとも費用が格安であれば記念にやってみたいという需要は少なくとも赤字にならない程度には見込めると私は思います。何故なら結婚式の需要の少ない日に設定して、空いている結婚式場を使えばよいからです。着付けをするスタッフも会場も空いている隙間を利用することが出来るので、仕組みの調整は必要ですが面白い仕組みだと思います。
更に結婚式場としても、結婚式の宣伝にもなるため格安にしてもメリットが十分あると私は思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。