糖質回避で強い空腹感がなくなる理由

糖質回避(糖質制限)をしていると強い空腹感がなくなります。
元々強い空腹感は糖質依存禁断症状だからです。
糖質を食べていると強い空腹感を感じますが、我慢していると突然ピークを越える感覚になることがあると思います。そのピークを越えること自体が禁断症状を乗り越えた証拠です。
禁断症状でなければ、空腹感は時間と共に次第に激しくなるはずです。
一定の時間でピークを越える感覚になることこそ、禁断症状の証拠だと思います。

そして糖質回避をしていると糖質依存から脱出できます。
だから禁断症状がなくなるだけのことです。
本来の空腹感だけになるのです。
私はダイエット実行中を実感する心地よい空腹感だと思います。

別の角度から考えてみます。
血糖値ならぬ糖質の血中濃度という概念で空腹感をあまり感じなくなる理由を紐解きます。

糖質の血中濃度=血糖値ーベースの血糖値
糖質の血中濃度=血糖値ーベースの血糖値

強い空腹感がなくなるのは、糖質を食べないことで糖質の血中濃度の上下がなくなるからに他なりません。
本来の空腹感だけになるのです。

この空腹感が本来の強さに戻るおかげで、食べ過ぎることがなくなるのも痩せる理由の一つです。

糖質依存という新しい概念(糖質制限で痩せる理由の説明)

糖質依存の話(依存という病気というよりは、実際には糖質に騙されていると解釈してください)
糖質依存とは糖質に依存して生きていると言う考え方です。もともと人類は動物ですから植物や動物を食することで生きながらえてきました。食物に依存していると言う考え方もあります。食物を食べないと生命が維持できないので間違いはありませんが、脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書)を読んでいる際にもしかして糖質に依存しているのではないか?という考え方を思いつきました。
糖質と言うのは砂糖だけでなく穀物などの炭水化物に含まれている成分で主食とされているものです。主食であるだけに糖質を食べることが当然であり、主食をいかに美味しく食べるかを主眼において副食が工夫されました。
その当たり前である糖質に依存しているという考えに至ったのは、一度食べ始めるとつい食べ過ぎてしまうこと、我慢が困難なことからです。今までの常識では、糖質の食べ過ぎではなく食事そのもの食べ過ぎと考えられていました。つまり食べ過ぎるのは自制心がないと考えられていたのです。糖質依存が確かであれば自制心の問題ではなく、食べ物の選び方と食べ方の問題なのです。
もしかしてと考え、検証してみました。人々は大きな大きな落とし穴に落ちていたのです。
ただ日常生活にも問題を生じる病的な依存というというよりは日常生活には支障のない生理的な依存、糖質に騙される魔法にかかっていると理解いたほうが適切にも思います。
 自制心がないからやめられないわけではなく、脳の仕組みからすれば仕方がなかったことを理解していただきたいのです。

依存症の診断基準

そもそも依存症の診断基準は以下のものです。

依存症診断基準

  1. 対象への強烈な欲求・強迫感がある
  2. 禁断症状がある
  3. 依存対象に接する量や時間などのコントロールができない
  4. 依存対象に接する量が増えていく
  5. 依存のために仕事や通常の娯楽などを無視または制限する
  6. 心や体に悪いことを知っていても続ける
過去1年以内に3つ以上を繰り返し経験したか、1ヶ月以上にわたって3つ以上の症状が同時に続いた場合、依存症と診断されます。
  1. 対象への強烈な欲求・強迫感がある
    ケーキやお菓子に対して執着しての執着や、お酒の後のシメのラーメンなどが相当?
    強烈な空腹感は糖質に対する強烈な欲求・強迫感そのものでは?

  2. 禁断症状がある
    食後数時間すると強烈な空腹感に襲われるが、しばらくするとピークを超えておさまる。
    糖質を食べなくなると強烈な空腹感がなくなる

    強烈な空腹感が禁断症状ではないか?

  3. 依存対象に接する量や時間などのコントロールができない
    ご飯のお代わりをしないと決めていてもついついお代わりをしてしまう
    お菓子を食べ始めると止まらなくなる

  4. 依存対象に接する量が増えていく
    前回と同じ量では同じ満足感が得られず、次第に量が増えていく。前回の記憶が満足感を割引(物事に慣れてしまうのと同じ感覚)ため、同じ感覚を得たい欲求が次第に量を増やしてしまう。

  5. 依存のために仕事や通常の娯楽などを無視または制限する
    さすがに仕事を中断してまで糖質を食べる人はいないとは思いますが、
    人気料理を食べるために何時間も行列に並ぶというのは当てはまるのではないかと思います。
  6. 心や体に悪いことを知っていても続ける
    食べ過ぎると肥満や病気になることがわかっていてもやめられない

過去1年以内に3つ以上を繰り返し経験したか、1ヶ月以上にわたって3つ以上の症状が同時に続いた場合、依存症と診断されます。

強烈な空腹感が1・2に当てはまると思います。
ついつい食べすぎてしまうことは3・4に当てはまりますし、痩せようとしても痩せられないのは6に当てはまると思います。
自分自身が当てはまるかを考えた際、見事に当てはまり糖質依存症と自己診断に至ったので、本当に衝撃を受けました。
私自身が太ってしまった理由、痩せられない理由は糖質依存症だからだとわかりました。
糖質を食べることにより糖質の血中濃度である血糖値が変動し、低血糖による禁断症状とその反動による過剰摂取を繰り返し太ってしまいます。
本来自分でコントロールしているつもりの食べ物の量が、依存により糖質にコントロールされているのです。
そういう観点で物事を見ると、理解が深まります。

糖質の血中濃度である血糖値が、下がると禁断症状である強烈な空腹感を生じ、上がると満足感が得られます。上がった血糖値を下げるためにインスリンが分泌されることで再び血糖値が下がり、再度強烈な空腹感に襲われます。この繰り返しで1日3食になったのです。

糖質制限をしていると2週間程度で血糖値が安定し変動が消失するため、依存を脱出し糖質を食べたくなる感覚が消えていきます。
依存を脱出できた証拠で1が消えたのだと思います。
血糖値の変動の消失とともに、禁断症状である強烈な空腹感も2週間程度で消えてしまいます。あまりおなかがすかなくなると感じます。
これも依存を脱出できた証拠で2が消えたのだと思います。
依存を脱出できれば3をクリアするのも容易で、4もなくなるため食べる量のコントロールができるようになるため痩せることができるのです。

糖質制限で痩せる理由は、依存状態から脱出し食べ過ぎがなくなるからです。
糖質に騙されて食べ過ぎていた魔法が解けて、食べ過ぎがなくなるからです。

「糖質オフ! 」健康法 主食を抜けば生活習慣病は防げる! (PHP文庫)に書かれている糖質制限を提唱された江部先生の理論の理解がさらに深まると思います。
誰もが自分自身で実感できる糖質依存の概念で糖質制限でみられる現象を解釈すると、糖質制限が有効な理屈を理解しやすいと私は思います。糖質から先に代謝されると考えられるので糖質制限すると痩せやすい一面もあると思います。
ただ制限という考え方は、人に規制されている印象(制限速度のように)を受けるため、自分自身の意思で糖質を回避する糖質回避という考え方を提案しています。絶対糖質はだめという制限ではなく、できたら避けるくらいの緩い縛りの糖質回避の方が人生は有意義で楽しいものとなるように思います。さらに信じるものは救われるという糖質回避教という宗教のような感覚になるとよいのではないかと思います。出来たら糖質は回避し、時々楽しむのが現実的で楽しい人生ではないかと思います。そのためにも依存の概念を受け入れて、一度依存を抜け出しても再度陥らないように依存も回避することが大切だと思います。

依存を抜け出せば、自分で食べる量が簡単にコントロールできるようになります。
ついつい食べ過ぎてしまうのは依存になりかけている証拠なので、ついつい食べ過ぎてしまうようなら再度依存に陥いりかけているのだと理解して、しばらく口にしないように気を付けます。
その際ついつい食べ過ぎても自己嫌悪に陥る必要はありません。何故ならそれだけ糖質の魔力が強いからです。食べ過ぎたら次から気を付ければよいだけのことです。自己嫌悪に陥るとどうにでもなれ効果が働いて、ストレス発散目的に食べ過ぎて依存に舞い戻ってしまいます。(参考文献:スタンフォードの自分を変える教室

2015/6/13 呉からの風