糖尿病における炭水化物(糖質)摂取の是非

例えば糖尿病において炭水化物(糖質)摂取の是非を考えてみます。
糖尿病患者さんに糖質は取らない方が良いと仮定する
まず最悪何が起こりえるか、安全性に問題がないか、危険性がないかを検証します
血糖値を上げる糖質を取らなければ最悪低血糖を来す可能性がありますが、血糖値はブドウ糖が使用されるか血糖値を唯一下げるホルモンであるインスリンがなければ下がりません。糖質を取らなければインスリンは分泌されず血糖値が下がる理由がありません。もしブドウ糖が体で使用されて血糖値が下がり始めれば、各種ホルモンが働き低血糖をきたす前に血糖値を上げようとします。糖質をとらなくてもたんぱく質由来のアミノ酸から作り出されるブドウ糖で血糖値は維持されるはずです。血糖降下剤やインスリン注射をしていなければ低血糖の危険は考えにくいので、安全性に問題はなさそうです。
危険性が低いため、この仮説が正しいかどうかの検証は簡単です。
仮説を試してみるのです。
単純に糖質を取らないだけです。
炭水化物(糖質)の摂取を控え、お肉や魚などのたんぱく質を取るようにします。脂肪分は特に制限しません。脂肪分はブドウ糖に変換することができないので、血糖値の変動はありません。
  • 危険性に関して
    • 低血糖を起こせば問題あり
      • 意識不良、冷や汗などがあれば糖分摂取を行う
      • どうしても心配であれば念のためにキャンディーなどを準備する
    • 低血糖を起こさなければ問題なし
  • 効果に関して
    • 血糖値が上昇すれば仮説が間違いである
      • 糖質は制限しない方が良い
    • 血糖値に変化なければ、仮説の真偽は不明である
      • 糖質は食べても食べなくても血糖値には影響がない
    • 血糖値が下がれば仮説は正しい
      • 糖質はとらない方が良い
耐糖能の問題だけで他の代謝異常がなければ糖質を制限することは問題にならないはずです。
(糖尿病、肝臓病や腎臓病などの治療中の方は『糖質回避教に入信したい』と主治医の先生にご相談ください)