おにぎりを分けて食べた血糖値

フリースタイルリブレを使って血糖値の持続測定を行いました。1ヶ月以上前に実験は行ったのですが、解析が遅れています。というのも糖質の食べ方による血糖値だけが病気を引き起こす訳ではないことがわかってきたため、病気を治す目的としての血糖値の解析に余り意味がなくなってきたからです。
とはいえ自分自身もまだ食べ方による血糖値の違いは完全に解明出来た訳ではありませんので、引き続き実験は行ってみたいと考えてはいます。

おにぎりの食べ方による違い

今回試しに実験してみたのはおにぎり1個を半分に分けて1時間後に食べた実験の続きです。前回は半分を食べた後1時間してから残り半分を食べてみました。おにぎり1個をそのまま食べたほど血糖値はあがりませんでした。
もしかしたらおにぎり半分を先に食べた後でおにぎり1個を食べた場合、半分を先に食べていることによって血糖値が上昇し、インスリンが分泌されることで追加で食べたおにぎりの血糖値が上昇しにくいのではないかと考えました。

今回はおにぎり半分を食べた1時間後におにぎり1個を食べてみました。

結果

食後135分までは1時間後におにぎり半個食べた血糖値と変わりありませんでした。1時間後におにぎり1個を食べた場合150分後にピークを迎えましたが、追加でおにぎり1個食べたにも関わらず、おにぎり1個だけで達する血糖値200mg/dlに及びませんでした。

考察

トータルでおにぎり1個半、1時間後ではありますがおにぎり1個食べた血糖値が、おにぎり1個だけで到達する血糖値200mg/dlまで上昇しないことがわかりました。恐らくおにぎり半個を先に食べていることで上昇した血糖値に対してインスリンが分泌され、追加で食べた分の血糖値の上昇も抑えてくれたことが考えられます。とはいえ166mg/dlまで上昇してはいますが、1回に食べる量を加減し1時間間をあけて食べることで、おにぎり1個だけ食べるより血糖値の上昇は抑えられることが考えられます。

とういことは食事の1時間ほど前に少量糖質を食べることは、食事での血糖値の上昇を抑えることが出来る可能性を示唆します。

糖質を一度にたくさん食べることが病気の原因である、糖質一度に食べ過ぎ症候群(まだ記事にはしていませんが、一時的高血糖症候群という考え方は間違っているようです。というのもお二人ともリブレで血糖値を測定してみましたが、血糖値が上がらなくても症状が出たからです。糖質一度に食べ過ぎ症候群という名前が理にかなっているようです)という考え方が間違ってはいなさそうです。

糖質を食べないことが理想ですが、糖質を食べるのであれば1時間以上間をあけて少しずつ食べることが次善の策のようです。もしよかったら実践してみてください。

血糖値の気になる方へ

多少の誤差はありますが血糖値を24時間簡単に測る機械が発売されています。
正確には血糖値ではなく血管から組織間にしみ出した組織間液中のブドウ糖濃度を測定し血糖値を類推しているものです。血糖値の変化を知るには十分だと思います。
空腹時血糖は正常でもHbA1cが高い方などは、食後高血糖に陥っている可能性があります。炭水化物だけ食べている(参考:血糖値の上がりにくい食べ方2017年版)か、食後デザートを食べているなどで血糖値が上がっている可能性があります(参考:血糖値の上がりにくい食べ方2018年版)。
もし気になるようならリブレで測定してみてください。
フリースタイルリブレにはリーダーとセンサーがあります。リーダーはセンサーを起動し、血糖値を読み取る装置です。センサーを使うためには1つ必ず必要です。一つのセンサーは2週間測定してくれます。
食後血糖値に興味のある方や空腹時血糖値が年々上がっている方など、血糖値が心配な方は買って調べてみてください
おにぎり食べてお茶や水を飲むと驚く程血糖値が上がることを知ることが出来るかもしれません(参考:おにぎり2個とお茶500mlの食後血糖値)。

ローソン ブランパンの食後血糖値

血糖値持続測定器フリースタイルリブレを使って食後血糖値を測定しています。
今回ローソンのブランパンを試してみました。糖質量が非常に少なく1個あたり2.2g、4個でも8.8gです。

食べたもの

ローソンのブランパンです。

1個当たりの栄養成分です。
タンパク質6.2g
脂質2.8g
糖質2.2g
食物繊維5.5g
これを4つとも食べてみました。
いつものごとく水分の影響を避けるため2時間は、水分は摂りませんでした。

結果

ほとんど上がりませんでした。
食前が97mg/dlでしたが最高でも104mg/dlでした。
パンに含まれる8.8gの糖質では血糖値が上がらなくて済むようです。

考察

糖質量が少ないので予想通りといえば予想通りの結果でした。
ブランパンは本当に糖質が少ないようです。恐らく糖質の食べ方による症状を起こしやすい方が食べても症状は起りにくい食べ物だと思います。

恐らく血糖値が上がらなかったセブンイレブンのこだわりたまごのサンドのパンだけ(こだわりたまごのサンド全体の炭水化物は18.3g)より、ローソンのブランパンの方が糖質が少ないので予想通りの結果でした。

私は美味しいと思いましたが、味や食べ心地は好みが分かれるので、ブランパンを美味しいと思われる方は通常のパンを食べるよりも健康的だと思います。

血糖値の気になる方へ

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正確には血糖値ではなく血管からしみ出した組織間液中のブドウ糖濃度を測定し血糖値を類推しているものです。
空腹時血糖は正常でもHbA1cが高い方などは食後高血糖に陥っている可能性があります。炭水化物だけ食べているか、食後デザートを食べているなどで血糖値が上がっている可能性があります。
もし気になるようならリブレで測定してみてください。
フリースタイルリブレにはリーダーとセンサーがあります。リーダーはセンサーを起動し、血糖値を読み取る装置です。センサーを使うためには1つ必ず必要です。一つのセンサーは2週間測定してくれます。
食後血糖値に興味のある方は買って調べてみてください
おにぎり食べてお茶や水を飲むと驚く程血糖値が上がることを知ることが出来るかもしれません(参考:おにぎり2個とお茶500mlの食後血糖値)。

 

 

食事指導による食後血糖値とHbA1cの変化

私の外来を受診された患者さんには病気を治す目的で血糖値の上がりにくい食べ方を提案しています(参考:血糖値の上がりにくい食べ方2017年版血糖値の上がりにくい食べ方2018年版)。
血糖値の上がりにくい食べ方だけで全ての病気が治る訳ではありませんし、少なくとも血糖値が上がらないことで身体に害がないため多くの患者さんに提案しています。今回偶然糖尿病の基礎疾患のある方が受診され、食事指導によりHbA1cが改善したため掲載してみることにします。

患者さんの食後血糖値とHbA1cの推移

血糖降下剤は飲み続けておられますが、なかか下がらなかったそうです。
3月と4月に受診していただき食事指導を行い、その後食べ方を実践していただいた結果薬は変わらないもののHbA1cがみるみる下がってかなり喜んでいただけました。

血糖値は食後のもので食事をしてからの時間がばらばらなので参考程度ですが、下がる傾向にはあると思います。
薬を変えていないのにHbA1cが下がったので糖尿病の主治医の先生には大変驚かれたそうです。

食事指導の方法

私の外来を受診時血糖降下剤は飲まれていましたが、糖質の食べ方が原因と思われる症状が出ていたため恐らく血糖値のコントロールは悪いだろうと思って聞いてみると数値が悪いと言われていました。そこでその患者さんの食べ方を、最新の血糖値の上がりにくい食べ方である水イボ(伝染性軟属腫)の食事での治し方(血糖値の上がりにくい食べ方2017年版2018年版をまとめたものです)に掲載している食べ方と照らし合わせてみると、違っているところがありました。
具体的にはおにぎりだけやパンだけで食事を済ませることが多かったそうです。幸い果物は食後時間をあけておやつの時間に食べておられたそうです。まとめると2017年版の食べ方からは外れていましたが、2018年版の食べ方は実践されておられました。

そこでおにぎりだけやパンだけという炭水化物だけ食べる食べ方を避けていただくように提案しました。出来れば糖質は減らす方が良いことも御理解いただけたようです。
食後お腹がすいて物足らない時にはチーズやソーセージを食べて頂いたそうで、お腹が空いて仕方ない時にはソーセージを2本食べることもあったそうです。

食事指導をした当初はご飯をお茶碗4分の3程度食べておられたそうですが、最近ではお茶碗半分弱だそうです。
食後物足らなくて糖質を食べ足すことがなくなり、結果として糖質を食べる量が減ったことも有効だったのではないかと思います。

ちなみにこの間私が指導したのは3月の1回で、1週間後に再診していただいて糖質の食べ方による症状が消えていることを確認しただけです。
偶然別件で受診された際血糖値の話になりデータをいただきました。

今回わかったこと

炭水化物だけ食べている糖尿病患者さんに糖質以外の食事と一緒に食べるように食事指導することで血糖値が実際に下がることがわかりました。
私が考えている理屈の一つ(血糖値の上がりにくい食べ方2017年版・糖質だけ食べない)が患者さんで実証された形となりました。
物理法則にのっとっていると私は考えているので、恐らく血糖値の上がりにくい食べ方2018年版(デザートを食後すぐに食べない)も正しいのではないかと類推しています。

今後の課題

これらの食べ方を糖尿病の多くの方に知ってもらうことが課題だと思っています。
すくなくとも血糖値の上がりにくい食べ方2017年版2018年版から外れている患者さんは参考にして頂けるように実例を増やしていくことが課題だと思います。
あと何人か私の食事指導でHbA1cが下がった方がおられるので、数値を持参していただいて記事を追加できれば良いと考えています。

血糖値の気になる方へ

血糖値の気になる方は血糖値を測ってみることをお勧めします。
誤差はありますが、変化は捉えることが出来ると思います。

血糖値持続測定器リブレの話はこちら