「口内丼論争」と「ばっかり食べ」に思う。体に良いのは・・・

録画したテレビを見ていると「口内丼」論争なるものがあることに驚きました。
「口内丼」とはご飯とおかずを口の中で丼のように混ぜて食べることから「口内丼」と言われるようです。
奥さんが「口内丼」の食べ方をするから悩んでいるという内容です。
食べ方に関して作った側が腹を立てているという内容でした。まず怒るという行為は期待しているから生じるものです。「口内丼」の食べ方をしているから腹が立つというよりは、味わっていないから腹が立つということです。

私は基本的にお米を食べない生活にしていますが、お米を食べる場合には「口内丼」という食べ方をします。何故ならお米の甘みをおかずの塩気で中和するように食べると美味しいからです。人が美味しく感じる食べ方をわざわざ美味しく感じない食べ方を強制するのは越権行為だと思います。

三角食べという食べ方がありますが、三角食べをしていると「口内丼」の食べ方になります。
三角食べ、「口内丼」の食べ方に対する食べ方は、一つの食材ばっかり食べる「ばっかり食べ」という食べ方です。三角食べ・「口内丼」、「ばっかり食べ」はどちらが身体によいのでしょうか?

体に良いのは「口内丼」

テレビでは3割の方が「口内丼」の食べ方をするといわれていましたが、残念です。何故なら「口内丼」の食べ方の方が血糖値が上がりにくく病気になりにくいからです。以下のグラフを見てください。
先にから揚げを食べて後からおにぎりを食べた場合と、先におにぎりを食べて後からから揚げを食べた場合はいずれも血糖値が上衝しています。

おにぎりと唐揚げの「口内丼」と「ばっかり食べ」の違い

一方おにぎりとから揚げを口の中で混ぜて食べる「口内丼」の食べ方は血糖値が上がりにくくなっています(参考:おにぎり1個と唐揚げの食べ方による食後血糖値の違い)。

食べ方による血糖値の違いの理由は、消化・吸収される際に糖質と糖質以外のものが胃の中で混ざっているかどうかだと思います。少なくとも私の場合、「ばっかり食べ」をすると胃の中で混ざらないようです。口の中で混ぜることで胃の中でも糖質と糖質以外のものが混ざり、腸で吸収される際に糖質がゆっくり吸収されるのに役立ちます。

実は記事にはしていませんが、「ばっかり食べ」をしても血糖値が上がりにくい人もいるようです。私のように「ばっかり食べ」で血糖値が上がるかどうかは人によって異なるようですが、少なくとも「口内丼」の食べ方は多くの人にとって血糖値の上がりにくい食べ方となるはずです。
勿論野菜と一緒に食べることでも血糖値は上がりにくくなります。
グラフは作ったのですが、投稿したつもりで投稿していませんでした。
野菜でも同じように「ばっかり食べ」をする方が「口内丼」の食べ方よりも血糖値が高くなります。(時間があれば改めてグラフを投稿したいと思います)

カップラーメンと唐揚げの「口内丼」と「ばっかり食べ」の違い

カップラーメンと唐揚げで食べ方による血糖値の違いも調べてみました。
唐揚げを食べてからカップラーメンを食べてもから揚げを食べない場合と同様に血糖値が上がるのに、から揚げとカップラーメンを「口内丼」の食べ方で食べると「口内丼」の食べ方の方が血糖値が上がりにくいようです。

「口内丼」と「ばっかり食べ」

人によっては「ばっかり食べ」でも血糖値が上がりにくい場合もあるようですが、私のように「口内丼」の食べ方の方が血糖値が上がりにくい人もいるようです。
血糖値が簡単に測定できるフリースタイルリブレ(購入の際はリーダー1個とセンサーが必要です)を手に入れて試してみると「ばっかり食べ」でも大丈夫か「口内丼」の食べ方の方がよいのかわかりますが、誰でも言えるのは「口内丼」の食べ方の方が血糖値が上がりにくいはずです。何故なら口の中で糖質と糖質以外の食べ物を口の中で混ぜて食べれば胃の中でも混ざったままのはずだからです。
わざわざ血糖値が上がる病気になりやすい食べ方を強要する意味はないと思います。

よって「口内丼」の食べ方を非難する議論そのものが意味がありません。「口内丼」の食べ方の方が優れた食べ方です。

「口内丼」の食べ方を非難する心理

奥様が「口内丼」の食べ方を非難する内容のテレビ番組でした。
「口内丼」の食べ方は一つのきっかけにすぎず、様々な不満を不謹慎狩りの心理で責め立てているにすぎません。つまり目的は自分の正当性を相手に押し付けることです。しかもその「口内丼」の食べ方を非難するのは上記の理由により意味がありません。すぐにやめた方がよさそうです。
そもそも「口内丼」の食べ方を非難する以前に何らかの不満があるはずです。例えばせっかく作った食事を味わって食べてもらえない。食事をかき込んで一瞬で食べてしまいゆっくり話ができないなどです。その点を指摘できないので「口内丼」の食べ方を責め立てる口実にしているに過ぎないように思います。

責め立てるのではなく、「せっかく時間をかけて作ったのでもう少し味わって食べてほしいな」とか、「急いで食べると味もわからないし、身体に悪い(急いでかきこんで食べると血糖値が上がりやすいはずです)からゆっくり食べて」と伝えるだけで違うのではないでしょうか?
「口内丼」の食べ方を責め立てる前に少し話あってみてはいかがでしょうか?

更に言えば、食べ方にまで文句を言うのは明らかに越権行為です。何故なら相手が「口内丼」の食べ方をしようが「ばっかり食べ」の食べ方をしようが、自分は困らない問題なのに口を出しているからです。課題の分離ができていない証拠です(参考:アドラーの心理学)。「口内丼」の食べ方を責め立ててしまっている方は、一歩立ち止まって誰の問題か考えてみる方が人生楽しくなれると思います。
一度考えてみてください。

余談

ちなみに炭水化物ばっかり食べると血糖値が上昇しやすいのでおにぎりだけやパンだけという食べ方は病気になりやすい食べ方です。(参考:血糖値の上がりにくい食べ方2017年版食事指導による食後血糖値とhba1cの変化)。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。