まだ仮説の域を出ませんが、糖化産物が病気を引き起こすという考え方です。
糖化産物とは?
糖化産物とは体内に吸収された糖がタンパク質と結合することで生じるもので糖尿病の検査で使用されるHbA1cも糖化産物の一種です。HbA1cは血糖値の高さに応じてタンパク質と結合することを利用して糖尿病のコントロールの指標として使われているものです。ブドウ糖がある限り様々なたんぱく質と結合することすは間違いありません。何故なら数あるたんぱく質の中でヘモグロビンだけに結合しHbA1cになることは考えにくいからです。
しかし数多く存在するはずの糖化産物の働きはわかりません。良い働きもあるかも知れませんし悪い働きもあるかも知れません。
(参考文献:「糖質オフ! 」健康法(PHP文庫))
糖化産物の働き方(仮説)
炭水化物を控えることでアレルギーが改善する人が存在することからある仮説を立てました。炭水化物が消化されて身体に吸収される場合、ブドウ糖として吸収されます。ブドウ糖そのものは非常に単純な分子のため免疫機能を左右する特殊な働きは考えにくいと思います。そこで糖化産物が免疫機能を亢進(働きすぎること)させるとアレルギーになり、免疫機能を抑制(働きを抑えること)すると感染に弱くなりニキビなどの慢性感染症を繰り返しているという仮説を立てました。
糖質を食べないことで血糖値の上昇が避けられるため、糖化産物が生じなくなり糖化産物が引き起こしている病気が改善します。
免疫機能が亢進(働きすぎること)すればアレルギーを生じます。
免疫機能が抑制(働きを抑えること))されれば各種感染症の病原菌やウイルス、腫瘍に対する免疫が働かなくなるために病気を生じるという仮説です。
糖質を食べないだけで、様々な疾患が治ることを考えると糖化産物が免疫系に働きかけているとしか思えません。
また免疫系に働きかけるとすれば、亢進や抑制をすることで様々な病気が改善することを一つの仮説で説明がつきます。
仮説の証明は困難
この仮説が正しいかどうか現時点ではわかりませんし、この仮説の医学的・科学的証明はかなり困難です。証明するとすれば体内に生じるありとあらゆる糖化産物の中から原因となる糖化産物を突き止め、その糖化産物が体内で増えると症状が増悪し、糖化産物が減ると改善することを証明する必要があります。もし証明するとすれば莫大な時間と費用、そして様々な設備や優秀な研究者が数多く必要です。
そのため従来の方法ではこの仮説が正しいことを証明するのは非常に困難です。
更に治療法を探すのはその後になるので、少なくとも10年以上は時間がかかります。
理論上は可能ですが、雲をつかむような話で現実的ではありません。
患者さんにとって一番大切なこと
仮説の証明も出来るに越したことはありませんが、現時点で困難なことは仕方がありません。患者さんにとって一番大切なことは理屈はともかく、病気が治ることです。仮説が正しければ糖質を避けるだけで様々な病気が治るはずです。
もし面白いとかダメ元でも構わないと思われた方は糖質回避教のすすめを読んでみてください。