アトピー性皮膚炎の特効薬のように考えられているステロイド剤ですが、ただの対症療法薬です。アトピー性皮膚炎が治る時代となった今ではその役割を終えつつあります(参考:アトピー性皮膚炎の治し方 糖質回避・振り返り法)。
これまでは二度と症状が出なくなる根治薬が無かったため、対症療法ではありますがステロイド剤を仕方なく使い続けていました。
20世紀にはステロイド剤が最善の治療法で、いわばステロイド剤が治療の主役でした。これからは脇役でしかなくなります
21世紀には糖質回避によりアトピー性皮膚炎は治る病気となりました。振り返り法により自己コントロールすることの出来る病気、あるいは体質だとわかりました。
ステロイド剤はリセットボタン
糖質回避をすれば症状は出なくなりますが、糖質を食べ過ぎた結果アトピー性皮膚炎が増悪することがあります。増悪した場合には振り返り法により食べ過ぎを見つけ出して次から食べ過ぎないように気をつけると良いのです。しかし一旦悪くなった皮膚の状態のままでは、次の食べ過ぎの判断が難しくなります。そこでステロイド剤を使って皮膚の症状を元の状態に戻すのです。イメージとしては食べ過ぎの影響を消してしまうリセットボタンだと理解するとわかりやすいと思います。
特に一度だけでも食べ過ぎて一旦症状が出てしまうと、ステロイド剤を使わないと1・2週間、場合によっては3週間程度症状が続いてしまいます。症状が出ていると次の食べ過ぎの症状がわかりにくいため、次の症状を確認する目的でステロイドにより食べ過ぎで出た皮膚の症状をリセットするイメージです。
リセット出来ない(症状が消えない)場合
ステロイド剤を使ってリセットしようとしてもリセットできない(症状が消えない)場合、薬を塗る塗る量が足らないかステロイドの強さが足らないかのいずれかです。ステロイドの強さが足らない場合で考えられることはこれまでに起ってしまった炎症が激しすぎるのか、糖質を食べ続けているので次から次に症状が出てくるため抑えきれないのです。更に強いステロイドを使用することと、糖質を更に減らすことを検討してみると良いと思います。
ステロイドでリセットし続けるのか糖質を減らすのかを選ぶ時代
これまではアトピー性皮膚炎の原因が避けられないダニ・ホコリ・汗だと考えられていたので、ステロイド剤で対象療法をするしかありませんでした。避けられないものが原因ですから治らなくても仕方のない病気だと誤解されていたのです。
糖質とダニ・ホコリ・汗の組み合わせで発症することがわかった今となっては、患者さんが自分で選ぶことが出来る時代になりました。
糖質を食べた結果出た症状をステロイドでリセットし続けるのか、糖質を控えることで症状を出ないようにするのかを選べる時代です。(治療しても治らないと誤解するのはアクセルを踏みながらブレーキが効かないと考えるようなものです)
アトピー性皮膚炎は治すことの出来ない病気から、自己調節できる病気へと変わりました。
治療という積極的なことをしなくても、糖質を避けるという知恵だけでアトピー性皮膚炎が失くなる時代へと時代が変わりました。