人は価値観の違う人の心理を理解することは出来ません。
実は知っていれば当たり前のことですが、このことを知らない人は会話が成り立たないことを不思議に思います。
例えばお金が全てだと思い込んでいる人は、お金の他に目的があって行動している人のことは理解出来ません。お金のためだけに働いている人は、もらえるお金の多寡により行動が変わります。お金を多くもらえるなら行動しても、お金がそれほどもらえなければ行動しません。やりがいなどのお金以外の価値観を元に行動する人は、お金のためだけに働いている人にとっては理解出来ません。逆にやりがいを求める人にとっては、お金の多い少ないにこだわる人の心理は理解出来ません。世の中がうまくまわっているのは様々な価値観の人達が、自分の価値観にそって無理なく出来ることをしているからです。無理をしている人は、何らかのトラブルを起こしたりトラブルに巻き込まれてしまいます。
他の例えで考えてみると、仕事が何より大切と考える人もいます。何事よりも仕事を優先します。他の選択肢は仕事を優先させた上で余裕がある場合にのみ考えることになります。一方で家族が何より大切という価値観の人もいます。仕事は休んででも出来る限り家族のことを優先します。しかし仕事が一番だと考えている人からみると理解が出来ません。家族を言い訳にして仕事をサボりたいだけだとさえ思ってしまいます。逆に家族が一番の人にとっては、仕事を一番と考える人の心理は理解出来ません。家族が嫌いなのだろうか?と不思議に思います。仕事が一番だと考える人は、家族を養うために仕事をしているという自負はあるのかも知れません。しかし仕事を一番にする時点で本来なら家族を養う手段である仕事が、生きる目的になっているのかも知れません。家族を一番に考える人の心理は、仕事が嫌なだけで仕事を避ける口実に家族を利用しているのかも知れません。
価値観が同じ、あるいは似ている場合には相手の心理が理解出来るため所謂気があう仲となります。人は自然と価値観の合う人達が集うようになるのは、お互いの心理がわかるからトラブルになりにくいからです。
人には様々な価値観があり得ます。中には価値観が人とは大きく異なり驚くような考え方をする人もいます。そして価値観が異なるとその相手の心理を理解することが困難なことを知っておくべきだと私は思います。