言葉には曖昧な部分があります。その曖昧な部分を文脈や話の流れから的確に判断することで意味を理解します。
例えば私は週末は御飯を食べないんです。と言う言い方には2つの解釈が成り立ちます。週末は断食するという意味と、週末はお米を食べないという意味です。御飯には主食である「お米」という意味と、「食事」という意味です。2つの意味がありますが、話の流れから「お米」という意味なのか「食事」という意味なのか無意識に考えながら聞いています。
説明が上手な人は最初からこの2つを明確に区別して伝えます。どちらの意味か相手に考えさせながら会話することは無駄だと知っているからです。理解するのに一瞬とはいえ余分な労力を要する上に、誤解される余地のある表現だからです。文脈からは「お米」を食べないという意味で話をしていても、聞き手にその意味を読み取る能力が足らなければ、週末は「食事」を食べないと聞いてしまう可能性があるのです。
説明が上手な人は曖昧な言葉、つまり2つ以上の意味を持つ言葉を、明確に区別する言葉に置き換えて説明します。解釈を間違う余地を無くすのです。今回で例えでは「御飯」を「お米」と「食事」に区別して説明するのです。
明確に区別して説明するためには、2つ以上の意味を持つ言葉を明確に区別して説明する必要があります。聞き手にどのように伝わるのかを考える想像力が必要ですし、2つ以上の意味を持つ言葉を別の言葉に置き換える知恵が必要です。説明が上手な人はこのことを無意識のうちに行うことが出来るのです。説明が下手な人は、想像力に乏しく説明したつもりになっていますが、曖昧な言葉を明確にすることなく使うためわかりにくくなります。曖昧な言葉を区別するため、聞き手が頭を使いながら聞く必要があるため、負担が大きくわかりにくい説明となります。
話し手が言葉を明確にするという知恵を使うことで、聞き手の負担を減らすことが出来るのです。そのことを理解している人は説明が上手ですし、短時間で正確な情報を相手に伝えることが出来ます。