判断を促す説明と判断を混乱させる説明の違い

判断を促す説明の仕方と混乱させてしまう説明の仕方があります。説明の上手な人は判断を促す説明をすることができます。説明の下手な人は、混乱させる話し方をしてしまいます。

医師不足の原因の一つは一部の医師の説明の仕方が下手なことです。多くの場合患者さんに治療法を選択してもらう必要がありますが、説明の仕方により患者さんが判断に要する時間が異なります。このことは販売の場でも同じです。受ける説明の仕方により、判断に要する時間が異なります。

判断を促す説明をする人

判断を促す説明をする人は、違いをわかりやすく区別します。判断するための材料をあらかじめ説明し、判断の根拠となる違いを明確にします。例えば安全性を求めるのか利便性を求めるのか等です。効果は今一でも副作用がない薬が良いのか、効果は抜群でも副作用があるかもしれない薬が良いのかを比較出来るように並べるのです。比べ方を変えると副作用がない薬にするか、副作用は若干起こりえるが、1日1回の薬にするか?などです。商品を選ぶ場合には、機能の充実なのか価格が安いことなのかなど何を求めるのか、具体的に判断する根拠になりえる部分だけを取り出して比べてもらうのです。説明の上手な人は判断に役立つ違いだけを取り出して例示します。判断に必要な情報を整理して違いを明確に伝えることが出来るのです。

判断を促すために、頭の中を整理出来る説明をするのです。

混乱させる話し方

混乱させる話し方をする人は、物事を整理せずとにかく次々と説明していきます。説明に間違いがある訳ではありませんが、情報が羅列されるのでどのように選べば良いかわからず混乱してしまいます。しかもその情報によくわからない専門用語が使われていると訳がわかりません。益々混乱してしまうのです。混乱させる話し方をしてしまう人は、自分がわかっているから相手にも説明すれば簡単にわかると誤解しているのです。人は情報を整理しなければ判断がつかないことを知らないのです。そして判断出来るだけの必要な情報を与えなければ、判断出来る訳がないのですがそのことも知らないのです。判断に必要な情報が不足しているのに判断を迫られ、余計混乱してしまうのです。

そもそも説明する人の頭の中が整理されていないので、説明を聞いても混乱してしまうのです。

混乱させる話し方をする人の対策

わざと混乱させるつもりはありませんが、人がどのような情報を元に判断するのか、物事がよく理解出来ていないのです。

対策は「その違いは一言で言うと何ですか?」と質問することです。一言での違いを聞いた上で、判断するのが一番です。まだ判断するための情報が不足していれば、更に質問することがお勧めです。一言で違いを説明出来ないのであれば、そもそも違いを説明する仕事(営業や医師など)は向いていないと私は思います。

混乱させる話し方をする人は、頭の中で整理が出来ていないので、質問することで頭の中を整理して情報を引き出すのです。整理されていない情報に振り回される必要はありません。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。