最低賃金を上げることを目指して行動している人達がいるようです。
企業に対して賃上げ要求をするのならわかりますが、最低賃金を上げることを要求するのが私には理解出来ません。何故なら時給1500円分働いていると考えているのであれば、雇用者に要求すべきことです。雇用者に要求しないのは、要求しても認められないことがわかっているからでしょう。ただ最低賃金を時給1500円にして欲しいと主張することは自由です。自由ではありますが、まるでお金の仕組みを知らない子供がお小遣いを上げてくれと駄々をこねているようです。他の子はお小遣い1500円もらっているから僕も1500円にしてと主張しているようです(外国の例をあげて日本での時給1500円を主張)。しかもお小遣いを出す親ではなく学校に最低お小遣いを上げるように主張しているように受け取れます。(現実には学校で最低お小遣いなどという決まりはないのでただの例え話ですが…)
要求通り最低賃金が時給1500円になるとおこることを考えてみます。最低賃金を上げても売り上げが上がる訳ではありません。アルバイトの給料を払うために値上げは出来ませんから、同じ売り上げを維持するためには労働生産性を1.5倍に引き上げる必要があります。つまり働く能力・能率を引き上げる必要があります。具体的には機械化が一気に進むでしょう。
例えばファーストフードでは注文はタッチパネルになり支払いまで自動清算になるのではないかと思います。商品の製造も自動化する機械化が進むでしょう。現実に競争の激しい回転寿司ではタッチパネルが当たり前でシャリを作るロボットも当たり前になっています。タッチパネルを導入出来ない回転寿司は淘汰されつつあります。居酒屋でもタッチパネルが導入されつつあります。注文を受けることに人手を費やすのは非常に効率が悪いからです。お客さんが商品を選ぶ間お客さんの前でただ立って選ぶのを待つのは時間の無駄です。しかも店員が端末のボタンを押すだけであれば、お客さんにタッチパネルとして押してもらうだけのことです。まだタッチパネルが導入されていない業種は、経営陣がその意味を理解していないのか、まだそこまでしなくても良いだけの経営に余裕があるのです。
最低賃金が時給1500円になった時点でタッチパネル化が一気に進みます。今は3人でしている仕事を2人か場合によっては1人でこなさなければなりません。そして時給1500円支払う価値のある気の利く人だけが残ることが出来るでしょう。ファミリーレストランでも同じことが起こります。まだ店員が端末を操作して注文を受けていますが、タッチパネルが導入されるのは時間の問題です。効率化すればタッチパネルで注文し料理が出来た時点で席に案内される時代が来るかもしれません。
時給1500円になることで無駄が省かれて効率化されるので、消費者にとっては便利になるので良いことです。一方アルバイトする人にとっては自らの首を絞めるような要求のように思います。
ちなみに外国で時給1500円で成り立つのは、そもそも物価が高い国か、チップの廃止の代わりに高い時給にしているからです。物価に対して妥当だから成り立つのです。物価が変動し、経営陣が時給1500円が高いと考えれば、タッチパネルなど機械化されていくでしょう。その過渡期だから成り立っているだけのことです。