回転寿司の価格が下がったからデフレ再燃?

ある大手回転寿司が一皿100円を一皿90円に値下げしたそうです。このことからデフレ再燃と言われているようですが、私は違うように思います。回転寿司が値下げしたからデフレに気付いただけのことです。デフレは以前から現在に至るまで、現在進行形で続いていると思います。

例えば100円ショップに行けば100円とは思えないような商品が多数あります。逆に何か簡単な物を買おうと思えば、まず100円ショップから探すべきだと思います。つまり似たような物が100円に値下がりしているのです。

技術の進歩により似たような物を安く作る知恵者が、価格を押し下げているのです。

バブル崩壊後リーマンショックでデフレに突入したように言われていますが、経済の仕組みがデフレに向かっているようです。

以前は技術の進歩により高機能の物が新たに売り出され世の中を変えることで経済が回っていました。今は技術の進歩により同じ物や似たような物を安く作ることが出来るようになりつつあります。丁度革新的な新製品は高くても、しばらくすると次第に値段の安い製品が出てくるのと同じようなことが様々な分野で起こっています。この仕組みがデフレを長引かせているのです。

デフレにより賃金が上がらなくても、以前より少ない費用で同じような生活をすることが出来るのです。

先程技術の進歩により物の値段が下がると書きましたが、適切な情報により無駄が省かれつつあることもお金を使わない方向に向かわせています。例えば一昔前までは病気のことを知りたければ医者に聞くしかありませんでした。今ではインターネットを検索すると詳しく説明されているサイトを見つけることが出来ます。どのサイトを信じるかの問題はありますが、以前のように医者に聞くしか病気のことを知ることが出来なかったことを考えると格段の進歩です。病気の正確な診断には今でも受診が必要ですが、病気のことを聞くだけであれば受診する必要がなくなりつつあるのです。

情報により無駄が省かれている例としては、電気製品の購入でも行われています。買いたい電気製品が決まっている場合には、わざわざ電気店に行く必要がなくなっています。しかもインターネットで買う方が安く買うことが出来るのです。買いたい電気製品が決まっているのに、店員の説明を聞くという無駄が省かれるから店員の人件費分安く買うことが出来るのです。しかもインターネットで検索することで、より安く買うことが出来るサイトを簡単に比較サイトにより探すことが出来るのです。

電気製品はインターネットで安く買うことが出来るという情報を持っている人は、営業トークを聞く無駄を省くことが出来るのです。

企業努力により安く提供されている物に様々な食べ放題があります。以前は店が利益を出すために、出来るだけ安価な食材をそれなりの価格で提供していました。しかし最近では食べ放題のお店の比較が容易で、費用対効果に乏しいお店はネット上で酷評され淘汰されてしまいます。生き残るためには利益だけを追い求める姿勢を改め、お客さんが得だと思える物を適切な価格で提供する知恵が求められます。今食べ放題で生き残っている企業は知恵を出すことが出来た企業です。

かつては利益を確保するために企業が高く売るのは仕方ないと考えられていました。その結果物価が上昇していたのです。資本主義の原理で知恵と情報で無駄を省き安く提供する企業が現れると、旧態然とした利益至上主義の企業が淘汰されつつあるのです。このことがデフレを誘発しています。景気が良くならないと嘆いている人もいますが、実は以前に比べて豊かになっているのです。同じお金で得られる物が豊かになっているのです。利益だけを追い求める企業が淘汰されつつあることも豊かになっている理由の一つです。

回転寿司が90円になったからデフレが再燃する訳ではありません。回転寿司が100円という節目の価格を下回ったことでデフレを再度実感しただけのことです。別の視点で考えると、節目の価格である100円を切るということは、それだけ他の飲食店と熾烈な競争を強いられているということです。消費者の立場からすると喜ばしいことではありますが、これからの経済全体を考えると大変な流れだと思います。新しいアイデアが出せる人しか生き残ることは出来ない時代がやってくるでしょう。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。