糖質一度に食べ過ぎ症候群という疾患の捉え方を提唱しています。今回はその病態に気付いた経緯を書きたいと思います。
糖質を食べると症状が出ることが徐々にわかってきました。アトピー性皮膚炎やニキビなどは食べ過ぎると翌日、早ければ数時間で症状が発症します。身体が出している注意報や警報という考え方も提案しています。
実は糖質一度に食べ過ぎ症候群は誰でも症状は見ているのです。アトピー性皮膚炎の赤みやニキビなどです。ただ単にどのように出るのかを知らないため、糖質を一度にたくさん食べると症状が出るとわからなかったのです。糖質制限の提唱者である江部先生や創傷の消毒をしない方が傷の治りが早いことを提唱された夏井先生のおかげで、アトピー性皮膚炎やニキビに糖質が関係あることがわかりました。糖質回避という考え方を患者さんに提案するようになり患者さんの状態が徐々に改善してきました。ただ当初は糖質は1か0かの二択のように、食べるか食べないかだと考えていました。食べれば出るのは仕方がないと考えていたのです。食べ物が問題であって食べ方が問題だとは思わなかったのです。
糖質一度に食べ過ぎ症候群に気付いた経緯
患者さんとお話をしていると悪化した場合、多く食べ過ぎた際に出ることがわかってきました。逆に糖質を0にしていなくても改善している患者さん達も多くおられたのです。むしろ全体量は多く食べていても症状が出ない患者さんがおられたのです。その食べ方を見ていると小分けで食べておられました。
1人は乳児湿疹の患者さんで果物やパン、うどんなどを食べ過ぎると赤くなっていました。しかしご飯(お米)を日頃食べていても症状が出ないのです。不思議に思って聞いてみると聞いてみると1日10回食べておられたのです。起きている間1時間毎に少しずつ食べていることがわかったのです。
その視点で考えてみると、多くの患者さんが一度にたくさん食べた際に発症していることがわかったのです。糖質による疾患は糖質の総量が原因だと考えていたものが、糖質の1回量が原因であることに気付いた瞬間でした。総量に気をつけなければいけないと思い込んでいたものが、1回量を気をつけなければいけないという事実に頭を撃ち抜かれる程の衝撃を受けました。患者さん達が日頃食べ方にどれだけ気をつけていても、一度の糖質の食べ過ぎで症状を引き起こす現実と合致するのです。頭を整理して抽象化して考えてみると、糖質一度に食べ過ぎ症候群という概念に行き着いたのです。