食後血糖値が糖質割合によって変わる理由

食後血糖値は食事中の糖質割合によって変わります。
糖質割合が高ければ食後血糖値は高くなりますし、糖質の総量が多くても糖質割合が相対的に低ければ食後血糖値はそれほど高くはなりません。

一つの証拠としておにぎり1個でもおにぎり2個でも食後血糖値はほとんど変わりません。糖質の総量は2倍になりますが、おなじおにぎりのため糖質割合は変わりません。このことが食後血糖値は糖質割合によって決まると考えた一因です。
恐らく糖質割合が高い食べ物を一定量以上食べると同じ形になると思います。3個でも同じようなグラフになると思います。
おにぎり1個でも一定量をこえているため、おにぎり半分でもこのようなグラフになるのか興味のあるところです。今後検査してみたいと思います。

おにぎり2個だけとおにぎり2個と唐揚げの食後血糖値を比較すると、から揚げを食べた食後血糖値の立ち上がりが遅くなり、最高値も低くなります。
世間一般では野菜を食べてからお米を食べるように言われていますが、野菜が推奨された根拠は恐らく食物繊維が消化されないからだと思います。しかしこのことから野菜に限らずお肉でも食後血糖値の上昇を抑える働きがあることがわかります。

カップラーメンと尾道ラーメンの食後血糖値の違いでは、カップラーメンは急上昇しますが、尾道ラーメンはそれほど上がりませんでした。
このことからカップラーメンはインスタント(即席)だから身体に悪いと世間一般で言われていることが間違いだということがわかりました。カップラーメンは具が少ないから食後血糖値が上がるため身体に悪い可能性が考えられます。
尾道ラーメンの食後血糖値がそれほど上がらなかった理由は、チャーシューにメンマ・背脂があるためだと思います。

食パンと卵サンドイッチの食後血糖値の違いを見ても、食パンだけだと糖質割合が高くなるため急上昇し、卵サンドイッチでは食パンはごく少量で、ゆで卵のタンパク質とマヨネーズの脂質が食パンの糖質の吸収を妨げたことが考えられます。

おにぎり1個とおにぎり2個と牛丼特盛の関係をグラフにしたものです。
おにぎり1個よりも牛丼特盛の方が血糖値がわずかですが低くなっています。お米だけであるおにぎりよりも、牛丼特盛では具の分糖質割合が下がるためわずかに血糖値が下がったのだと思います。

食後血糖値が糖質割合によって変わる理由

上記内容は食後血糖値が食事中の糖質割合によって決まることを指示していると私は考えます。
糖質の総量が同じであっても、タンパク質や脂質を多く摂ることで糖質割合が下がると食後血糖値が上がりにくいようです。
考えられる理由は、腸管壁にブドウ糖分子が触れる頻度の問題です。
食べ物は消化されブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸・グリセリンと食物繊維に分解されますが、食物繊維以外は分解されたものが腸管壁に触れた際に身体に吸収されます。ブドウ糖が腸管壁に触れで身体に吸収され血管内に取り込まれた結果血糖値(血中ブドウ糖濃度のこと)が上昇します。ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸・グリセリンと食物繊維が腸管壁に触れるのですが、その中で糖質が消化されて生じるブドウ糖が腸管壁に触れたときだけブドウ糖が吸収されるため、食事の中に含まれる糖質の割合が食後血糖値に影響を与えるようです。タンパク質・脂質・食物繊維は糖質が消化されたブドウ糖が腸管壁に当たる頻度を減らすため急激な血糖値の上昇を抑えますが、最終的にブドウ糖は全て吸収されてしまいます。ゆっくり吸収することで、インスリンが働き血糖値の上昇が抑えられます。

糖質は血糖値を上げる食べ物で、タンパク質・脂質・食物繊維は血糖値の上昇を妨げるものです。タンパク質・脂質・食物繊維は糖質が消化されたブドウ糖が腸管壁に当たる頻度を下げることで、血糖値の急激な上昇を抑えるようです。

インスリンにより血糖値が下げられるため、公式のように糖質割合のみで計算出来る訳ではありませんが、一つの目安としては使えると思います。
(他に血糖値に影響を与える要因は食事にかける時間だと思いますが、そのことについては改めて書きたいと思います。)

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。