物事に反対する理由を聞いても意味がない

物事に反対する理由をよく聞きます。何故反対するのか?と。私は理由を聞くことは意味がないと思います。何故なら多くの場合それらしい言い訳を聞かされるだけだからです。確かに本当の理由であれば意味がありますが、わざわざ本当の理由か言い訳かを見極めなければいけません。その手間が時間の無駄なのです。

反対する理由ではなく目的を聞く

自分自身が意識しているか意識していないかは別にして、人の行動には必ず目的があります(目的論)。何かのために行動するのです。物事に反対するのも必ず目的があるのです。何かの目的があって反対しているのです。

理由は言い訳を聞かされると書きましたが、目的であれば余程頭の回転が速くない限りすり替えることは困難です。少なくとも私には目的のすり替えは無理です。もし天才的な頭脳により目的のすり替えが出来たとしても、本当の目的を突き詰めると論理が破綻すると思います。何故なら言い訳に過ぎないからです。

目的を話し合えば解決策も見つかると思いますが、言い訳に対して議論しても意味がありません。何故なら言い訳を論破しても次の言い訳が出てくるだけだからです。反対が先にあり、理由を探すの、つまり反対の言い訳を探しているだけです。

例え話

立ち退き問題

損得主義で書きましたが、土地の立ち退き問題も目的論で考えると理解しやすくなります。立ち退き問題で拗れることが多いのですが、立ち退きに抵抗すればする程金銭的に得をするのです。抵抗すればする程金銭的に得をするのですから、様々な言い訳を考えて立ち退きに抵抗するのです。立ち退きを拒否する理由は土地の愛着や思い入れであったり、引っ越しへの不安ですが、本当の理由と言い訳の区別がつきません。

立ち退きに反対する目的の多くは金銭的に得をすることで、思い入れは言い訳に過ぎません。確かに思い入れがあるため立ち退きしたくない人もいるかも知れませんが、金銭が目的の人達と区別することが出来ません。損得主義の視点からは、立ち退きに抵抗すると損をする仕組みを作るのです。そうすることで目的を区別することが出来ます。例えば期限までに立ち退きしてもらえたら、時間的なメリットが得られるので金銭を余分に支払うのです。逆に期限をこえて立ち退きをしなければ、時間的な損害を生じるので減額していくのです。この損得主義に基づく考え方をすれば、本当に思い入れがある人は金銭的な損失を被ってででも立ち退きに抵抗するでしょう。逆に金銭的な目的で抵抗する人はいなくなるでしょう。何故なら抵抗しても金銭的に損をする仕組みだからです。この仕組みを導入することで目的を区別することが出来ます。居座ることが目的であれば、金銭的な損失をしてでも居座ります。お金が目的であればすぐに立退くでしょう。

目的論の視点から、議論する際に早く立ち退きをしてくれれば割増料金を払いますが、遅くなると遅延損害金として立ち退き料を減額しますがどうしますか?と質問するのです。目的はお金ですか?居座ることですか?と。

OTC医薬品の認可に関して

OTC医薬品とは、医師の診断をもとにした処方箋に基づく薬である処方薬に対して、処方箋なしで薬局で買うことの出来る薬のことです。その認可に対して反対する人達がいます。医者であったり薬剤師であったりです。理由を聞いても色々なことが述べられていますが、それが本当の理由かどうかはわかりません。特に医者は患者さんの不利益ななるなどもっともらしいことを述べますが、患者さんの減ることを避けることが目的でしょう。患者さんの利益を第一に考える医者は、反対する理由などないはずです。万が一OTC医薬品で不利益があったとしても患者さんの自己責任であり、医者が勝手に心配すべきことではありません(他人の問題に口出しをしない問題論)。その患者さん達がOTC化を望んでいるのであれば認可するべきだと思います。

以前は医学知識は医者だけの特権でした。何故なら現在のような検索システムが無かったため人間の頭脳に任せるしか無かったからです。今は手軽にスマホで情報を手に入れることが出来ます。検索した結果が自分に当てはまるかどうかの保証はありませんが、ある程度の知識が手に入ります。その知識に合わせてOTC医薬品を選ぶと実質医者は要らなくなってしまいます。だから自分達のために反対するのです。

そもそも自分達の利益を失う事柄に対して賛成する訳がありません。失う利益が大きければ大きいほど必死で反対するでしょう。誰の利益を優先するかということが問題です。

反対する目的を聞けば、正直に答える人であれば仕事が減るからと答えるでしょう。

薬剤師さんがOTC医薬品に反対するとすれば、OTC医薬品を選んで販売する責任が自分にのし掛かることが嫌なのでしょう。現在であれば処方箋に基づいて処方していれば、通常薬剤師さんが責任を問われることはないからです。

上記の内容は私が思いついただけで他にも目的はあるかもしれません。現時点では私には思いつきませんのでご容赦ください。

まとめ

周囲で反対している人がいれば、反対する目的を聞いてみて下さい。目的を聞いても返事がなければ、何のため・誰のために反対していますか?と質問の仕方を変えてみて下さい。

他人のためと言い出せば恐らく言い訳です。何らかの別の目的(恐らく自分の利益)があって反対しているはずです。

理由を言い始めれば言い訳を聞かされるだけなので遮り、改めて目的を聞きましょう。理由で議論しても意味がありません。目的で議論しましょう。(参考:原因論は過去にとらわれ、目的論は未来を切り開く)

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。