高血圧と塩分と糖質の関係

高血圧の犯人、主犯は塩分だと思います。共犯が糖質です。その理屈を説明していきます。

以前糖質を控えると高血圧が改善する実例から、糖質を控えることで糖質依存塩分依存の共依存が解消され、結果として塩分の摂取量が減ることで高血圧が改善すると説明しました(参考:糖質制限で高血圧が治る理屈)。

糖質を控えることで糖質依存と塩分依存が解消される仕組みが働き塩分摂取量が減ることで高血圧が治る人がいるのは間違いありませんが、今回は別の視点から書いてみます。

糖質が高血圧を招く

糖質を摂ると消化されブドウ糖として身体に吸収されることで血糖値(血中ブドウ糖濃度のこと)が上昇します。血糖値が上昇すると身体にとって有害なブドウ糖と身体のタンパク質が結合する糖化という反応が生じます。身体にとっては不都合なのでインスリンにより血糖値を下げようとしますが、様々な理由によりインスリンがうまく働かなくなるのが糖尿病です。このインスリンのおかげで血糖値が抑えられるのですが、血液中のインスリンが腎臓に働きかけると一旦尿として排泄したナトリウムを再吸収する仕組みが働いてしまいます。糖質を摂ることで血糖値が上がり、インスリンが働き、腎臓からナトリウムを捨てさせる働きを妨げる。つまり糖質を摂るとナトリウムが体内に貯留する仕組みが働いてしまうのです。糖質を食べなければインスリンが過度に分泌されることがなくなるため、体内にナトリウムが貯留されなくなって高血圧が改善するという道筋です。

肥満の方が高血圧になりやすいのはこの仕組みが働くからではないかと思います。肥満の多くは糖質依存による糖質の摂り過ぎで発症します。糖質を多く摂っているということは糖尿病になっていなくても、それだけインスリンが働いていることが考えられます。その分余分な塩分が身体に貯えられた結果、塩分濃度を薄めるために水分も溜め込むため高血圧になるという理屈です。

糖質によりナトリウムが貯留するのですからいくら塩分を控えたとしても、高血圧が改善しない可能性があります。

糖質依存と塩分依存の共依存

ましてや糖質依存と塩分依存の共依存に陥っていれば、依存から抜け出す知識なしに魅力溢れる両方抜け出すことは非常に困難です。おにぎりに塩をするのもパンにバターを付けるのも糖質という甘みを打ち消すために塩分が求められ、糖質依存だけでなく塩分依存にも陥ってしまいます。高血圧の患者さんに対して減塩が叫ばれる中、なかなか減塩出来ないのは塩分依存だからです。少し塩分を摂ると止まらなくなって結果として塩分を多く摂ってしまいます。減塩醤油などを使っても上手くいかないのはそのせいです。減塩した料理を美味しく感じることが出来ないのは塩分依存により塩気の感じ方が狂わされているからです。

まとめ

当初は糖質を控えることで高血圧が治るのは、糖質依存が解消され共依存状態の塩分依存も解消されることで塩分摂取量が減り、高血圧が改善されると考えていました。

腎臓でのナトリウムの排泄に関して、インスリンが関わることからインスリンが多く分泌される状態では、ナトリウムを体内に溜め込んでしまう可能性が考えられます。インスリンが働くのは糖質を食べた場合です。糖質を食べることでインスリンを介して高血圧に陥る可能性が考えられます。

上記の理由により高血圧に対して塩分を控えることだけ行っても大して意味はなく、糖質を控えることをしなければ改善しにくいと思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。