糖尿病患者さんと話していて気付いたこと

私は今のところ糖尿病をみている訳ではありませんが、糖尿病患者さんと話していてわかったことがあります。リブレによる血糖値持続測定からわかったことと照らし合わせると、意外な程多くの患者さんが食後血糖値の上がりやすい食事をされていることです。そもそも食事指導を全く受けておられない患者さんまでおられて大変驚きます(実際には受けられていても理解出来ていないだけかもしれませんが)。一番驚いた食事指導は未だに脂質を控えるように言われていることです。血糖値の上昇を押さえてくれる脂質をわざわざ避けるようにいわれているため、きつねうどんの油揚げをわざわざ我慢してうどんだけ食べていたそうです。もちろん唐揚げも禁止され好きなのに我慢していたそうです。きつねうどんの中で多少なりとも血糖値の上昇を抑えてくれる油揚げをわざわざ食べないのですから血糖値が下がる訳はありません。主治医の先生の言うことを聞いているのに血糖値が下がらず困っておられました。

糖尿病の食事指導がズレている

血糖値の上がる具体的な食べ方とはうどんだけやおにぎりだけという炭水化物だけ食べる食べ方のことです。私の提案している病気を避ける理想の食べ方の逆の食べ方です。残念ながら食べ方により血糖値が変わることをまだ知らない多くの患者さんがされていることです。カロリーを気をつけるように指導され炭水化物の量の指導はあっても、血糖値の上昇を邪魔してくれる糖質以外の物と共に食べるという食べ方は全く指導されてはいないようです。患者さんによっては野菜から食べるように指導されている方もおられますが、おにぎりの時にはおにぎりだけ、うどんの時には野菜無しでうどんだけ食べておられます。おにぎりやうどんの時にはそもそも野菜を食べるという発想が無くなってしまいます。

私の。陥った落とし穴ですが、患者さんには「野菜に限らずおかずから食べるようにして下さい」と提案していました。患者さんにも理解して頂いていたのですが、認識の齟齬が生じていました。私としては必ずおかずを準備して食べて下さいという意味も含んで、おかずから食べて下さいと伝えていました。患者さんにとってはおかずがあればおかずから食べるものだと理解されていたのです。おかずが無ければわざわざ準備して食べて下さいと申し添えて伝えるべきでした。いわば私は説明したつもりになっていたのです(参考:「説明した」と「説明したつもり」の違い)。今では食後血糖値のグラフをお見せしておにぎりだけ、うどんだけ、パンだけという食べ方を回避するように提案しています。

様々な病気を改善するために血糖値の上がりにくい食べ方を提案する際に、糖尿病を合併している方に説明して驚かれてしまいます。知らなかったと。

もしかしたら糖尿病を診ておられる先生方も食後血糖値は食事中の糖質割合によって決まる可能性があることをまだご存知無いのかもしれません。リブレを使って食後血糖値を解析すれば誰でも簡単にわかることなので、これから他の先生方からも報告があると思います。

というよりも意外な程患者さんがうどんだけやおにぎりだけあるいはパンだけを食べておられることを、糖尿病を診ておられる先生方はご存知無いのかもしれません。患者さんは皆んなバランス良く食べていると思い込んでいるのかもしれません。そもそも糖質を食べなければ2型糖尿病は治るのですが、食べないで済む方はほとんどおられません。少なくとも他の疾患において糖質を控えるよう私が患者さんにお伝えしても、糖質を食べないで済む方はほとんどおられません。私の説明の仕方もあるとは思いますが、完全に主食抜きに出来る方は1、2%、50人から100人に1人という程度です。つまりやめられない方の方が多いので、病気を治したい医者としては現実的な回避法を提案するしかありません。逆に病気を避ける目的だけであれば、ストイックに糖質をゼロにする必要もありません。食べ方を工夫するだけです。

少なくとも日頃からおにぎりだけ、パンだけ、うどんだけという食べ方をされている方は、何かと一緒に食べるようにするだけで明らかに血糖値のコントロールは良くなります。注意点は胃の中で混ざるように糖質と糖質以外の食べ物を交互に食べることです(参考:おにぎりの食べ方による食後血糖値の違い)。

喧嘩を売りたい訳ではない。

私は食事指導が間違っている先生達に喧嘩を売りたい訳ではありません。リブレのおかげもあり食事の仕方と食後血糖値の関係を偶然先に知ったに過ぎません。

食事の仕方と食後血糖値の関係を早く知って欲しいと思います。もし信じられなければご自分でリブレを装着して食後血糖値を測定し、確認して欲しいと思います。つまり追加実験をして欲しいと考えています。情報が集まることで患者さん達に大きなメリットがもたらされるからです。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。