営業マンの仕事は自社製品を売ることではない?

について書きました。
ふと私が気づいた営業マンの方の多くの方が勘違いしていることがあります。
営業マンの仕事が自社商品を売ることだと勘違いしているのです。
勘違いしているからこそ、嘘・偽りや大袈裟に売り込むことも平気な人が出てきます。こういう人たちが営業マン全体の信用度合いを下げてしまっています。売ること・営業成績だけが『目的』だからこそ、売れれば良いのです。後で取り消しや問題にならなければ、多少の嘘・偽りや勘違いさせても、『目的』は売り上げですから問題ないと考える輩がいるのは残念なことです。
例え嘘がなかったとしても、相手を話術でその気にさせて売り込むことが良いことだと評価されるのも『目的』が自社製品を売ること・売り上げだからです。話術でその気になったとしても、それは衝動買いの要素が大きく、買った側が本当に満足しているかどうかは疑問が残ります。
本来の営業マンの存在意義とは異なり、自社商品を売ることが仕事という勘違いが、営業マンをある種胡散臭いものにしてしまうのです。商品を売りたいために良いことばかり並べがちです。お客さんが欲しくなるように営業マンが話すので、衝動買いしてしまいそうになるため警戒してしまう人が多いと思います。営業マンとしては指摘されない欠点はできれば言いたくはないので、お客さんとしては何か見落とした欠点がないか気をつけながら話を聞く必要があります。お客さんの側からすれば、騙されないというのは言い過ぎとしても後悔しないように気をつけながら買うようなものです。お客さんが気をつけなければいけないと言う無駄があるのは、営業マンの『目的』が商品を売ることだからです。営業マンの『目的』はお客さんに買ってもらえさえすれば達成されるので、お客さんの欲しいものでは無くても構わないのです。営業マンの『目的』とお客さんの満足の微妙なズレがあるのですが、多くの営業マンがこのズレに気付いていないのです。

私の考える営業マンの本来の仕事は、『お客さんの本当に欲しい商品を売ること』だと思います。一言で言えば『満足してもらうこと』です。その商品が他社製品であれば残念なことではありますが、仕方がありません。嘘偽りや営業マンの顔を立てて無理して自社製品を買ってもらったところで、無理は継続できません。1次的な売り上げが上がるだけで、関係は終わりです。営業マンが顔を出さなくなれば終わりです。
『お客さんの本当に欲しい商品を売ること』を心がけて繰り返していれば、自社製品にぴったりあうお客さんを紹介してもらえるようになると私は思います。
この考え方でいくと、相手が求めているものが自社製品と異なればそれ以上営業することはお互い無駄だとわかります。本来営業とは説得して買ってもらうものではありません。
相手の求めているものが明らかに異なればそれ以上はお互いの時間の無駄です。
自社商品を買ってもらうのが仕事だと思っていると、そこから説得が始まります。
相手が欲しい商品を買ってもらうのが仕事だとわかっていれば、相手の求めているものが自社製品と異なることがわかった時点で自社製品の特徴を伝えすぐに退散するはずです。
営業マンの考え方がよくわかることがあります。
相手の求めるものを聞かずに話始めるか、相手の求めるものをまず聞いてから話を始めるか。
相手の求めるものを確認するかどうかを見ていると、営業マンの心構えがわかります。
いきなり話し始める人はとにかく説得してでも自社製品を売りたい営業マンです。
こちらの都合を考えるつもりがあまりないので、早めに話を打ち切る方がよいかもしれません。