赤ちゃんは泣くのが仕事という考え方がありますが、わざわざ泣かす必要は無いと思います。泣く前に泣かさないように工夫することで余り泣かさないようにすることを提案します。その一貫で赤ちゃんが泣く理由を考えてみました。
赤ちゃんが抱っこすると泣き止んで、床やベッドにおろすと泣いてしまうことは良くあることです。
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で10ヶ月過ごした訳です。生まれてから外の世界に慣れるまではお母さんのお腹の中の環境が当たり前で、外の世界が居心地の悪い世界です。お腹の中にいる10ヶ月のうち、少なくとも手足の動かせるようになった誕生までの最後の2・3ヶ月は記憶があるのではないかと思います。
赤ちゃんにとっては、お母さんのお腹の中、すなわち子宮の中で大人から見れば窮屈に過ごすのが当たり前だったのです。そして誕生してからは、子宮に包まれて圧迫されることなく手足を自由に動かせることが居心地の悪い何とも言えない状況なのだと思います。ただ起きている際は、手足を自由に動かせる感覚が新鮮で楽しくて仕方が無いので、意味もなく動かしているのです。
眠たくなると手足を動かす新鮮な情報や刺激が眠る邪魔をしてしまうので、眠れず泣いてしまいます。
寝かせる際に抱っこすると良く眠るのは、お腹の中で子宮の中の羊水に浮かんでいる感覚に近いからだと思います。同じ抱っこをしていても座っての抱っこだと目覚めたり泣き出したりするのは、立って抱っこされた際に得られる羊水の中の浮遊感がなくなるためだと思います。言わば何時間も小さな船で波に揺られることに慣れていると、地上に降りた際に地面が揺れていると感じる酔ったような感覚に似ているのだと思います。長い時間波に揺られていると揺れているのが当たり前になって、揺れている感覚を打ち消してしまう能力が備わっています。人間には置かれた環境をゼロに設定する能力があるのです。
抱っこされていると小船に揺られる感覚、子宮の中の浮遊感に近い感覚を得られるので落ち着くのだと思います。子宮の中の浮遊感であれば、お母さんの不規則な動きにより、理論上規則的な揺れではなく不規則な揺れの方が赤ちゃんにとっては心地よいのかも知れません。不規則な揺れとは車の中の振動などです。もしかしたらお腹の中にいる際にお母さんが良く歩いていれば、歩行という規則的な揺れによって心地よいと感じるのかも知れません。
せっかくお母さんのお腹の中を思い出しながら寝入ったのに、床やベッドに置かれると、突然小船から地上に降り立ったように酔ったような感覚になるので起きてしまうのです。完全に寝てしまえば酔ったような感覚を感じることがないため、起きだしたり泣いたりしないようです。
寝かせる際には、子宮の中を再現すると寝やすいのではないかと思います。子宮の中は手足を伸ばすことが難しかったので、手足を含めて赤ちゃんを小さく抱き込んでしまうと赤ちゃんは安心するようです。
良かったらお試し下さい。