ある患者さんによるとアトピー性皮膚炎には糖質食べ過ぎ警報があるそうです。
その患者さんは一食につき御飯茶碗一膳食べても症状は出ませんが、お代わりをするとその日に痒くなり、翌日には赤みが出るそうです。あるきっかけでこのことに気付かれたので、日頃は御飯は茶碗一膳までに食べるのをおさえているそうです。
お茶碗一膳をこえて食べてしまうと、食べ過ぎ警報が出たと思われるそうです。警報とは身体からのメッセージで痒みや赤みのことです。
このように糖質を食べることとアトピー性皮膚炎の痒みが、この患者さんでは明らかな相関を示すようです。そのため痒くなれば糖質、特にこの方の場合御飯の食べ過ぎなので次から気をつけるようにされます。
糖質とアトピー性皮膚炎の関係で、糖質を回避しているアトピー性皮膚炎患者さんの9割前後の方が改善していることも上記関係を裏付ける状況証拠です。
これだけ明らかな相関を示す原因は、糖質が何らかの免疫機能障害を引き起こすことに加え、糖質による高血糖が体温上昇を促し発汗を促すことに起因するのではないかと思います。何故ならその患者さんでは、糖質を食べると肘窩に明らかに症状が出るからです。運動していないにも関わらず汗をかきやすい部位に症状が出るのが、糖質を食べることによる体温上昇を回避するための発汗が症状を増悪している可能性があります。
糖質とアトピー性皮膚炎の関係が明らかなのは、アレルギー機序だけでなく、糖質による発汗がアトピーの増悪因子であることに起因するのかも知れません。言わば二重の意味での増悪因子なので、関係がはっきりするのかも知れません。
いずれにしても、アトピー性皮膚炎の痒みや赤みを、身体が発したSOSあるいは警報として受け取る知識があれば、患者さんは快適な生活を送ることが出来るのではないかと思います。何故なら患者さんがアトピー性皮膚炎の症状を自己調節することが出来るからです。
糖質の量を患者さんご自身で見張ることで、折り合いのつく糖質の量を探すのです。
先程の患者さんは御飯一膳が許容量でした。人によってはお茶碗2杯まで大丈夫かも知れません。人によってはお茶碗半分が許容量かも知れません。自分の許容範囲を探してみるしかないのです。
糖質を回避する知識一つで、アトピー性皮膚炎は不治の病から自己調節できる体質に変わるかも知れません。私は病気として認識された時代は近いうちに終わり、自己調節できる体質と再認識される時が必ず来ると思います。
もしかしたらこの考え方で呉から一つアトピー性皮膚炎という病気が消えるかも知れません。
他の病気でも糖質食べ過ぎ警報は身体が出しているのかも知れません。まだその警報を受け取る『知恵』が無いだけかも知れないのです。