「0から思考」は可能性を無限に広げます。
何故なら0は無の状態で方向も決まっていませんし、スケール・尺度も決まっていないからです。1が決まると2が決まってしまいます。方向性とスケール・尺度が決まってしまうのです。
わかりやすい例を挙げるとお金を思い浮かべてください。
お金が何もなければ0です。単位はありません。
1円に対してお金がないことを表すために0円という単位がつきます。
1ドルに対してお金がないことを表すために0ドルという単位がつきます。
1があって初めて0に単位がつくのです。
お金がない状態は円もないしドルもないし、元もないし、ユーロもありません。
逆に考えれば今後どのお金を持つかは自分で好きに選べるのです。
0からスタートすれば好きなお金を選ぶことが出来るということです。
ただし持つのはどの通貨でも構いませんが、通貨は相手が受け取ってくれて初めて意味をなします。所有するだけならどのお金でも構わないものの、通貨として使用するためには相手に認めてもらう必要があるのでその時点である程度制約をうけてしまいます。ここでの「0から思考」は所有しておくことと、使用することを分けて考えるという思考実験です。
現実的には使えないお金を持っていても意味はありません。使えるお金に交換する手間がかかってしまうからです。お金の種類によっては交換してもらえないかもしれません。
0は1よりも無限の可能性を秘めている
0というのは現時点では何もありませんが、何に対して無いのかを考えることで無限の可能性を秘めているのです。
あるものを理解することは簡単です。そこに存在するからです。
当たり前にあるものが無くした場合を想像するのは、意外に難しいものです。
逆に無いものを想像するのも難しいものです。
試しに今いる視界の中に無いものを10個あげてみて下さい。
視界の中にあるものは数に限りがあると思いますが、無いものであれば無数にあります。
例えば多くの方は新幹線は視界の中に無いでしょうし、飛行機も無いでしょう。中には新幹線や飛行機の中でこれを見られている方もおられるかもしれません。であれば、潜水艦が視界にある人は更に希でしょう。今回は乗り物で考えてみましたが、例えば冷蔵庫や洗濯機、テレビなども視界には無い人も多いでしょう。極端な話に飛ばすと、五右衛門風呂は今の視界には入らないでしょう。他にも金庫なども視界に入らない人は大半ではないでしょうか?
無いものは無限にあるのに、人は無いことを認識するのは非常に困難です。何故なら有ることに対応して無いことを認識しているからです。最初から無いことを、無いと認識出来る人はごくまれなのです。そして余りに当たり前のことは無い状態が想像できないのです。ここが簡単にはイノベーションが起こせない理由です。
今ある当たり前をまず0にして0から考える「0から思考」という考え方を身につけてみて下さい。
「0から思考」は誰にでも出来る
「0から思考」は難しい考え方ではありません。何故なら人は誰でも子供のころは「0から思考」だったからです。蓄えた知識がないから0から考えるしかなかったのです。いつの間にか常識として知識を蓄えたことで、その常識にとらわれて常識から抜け出して考えることができなくなっただけのことです。
「0から思考」、身につけることができると貴方の人生に革命が起るかもしれません。