糖質食べ過ぎ症候群とは2つの意味があります。糖質を食べ過ぎること自体が病気である糖質依存という意味と、糖質を食べ過ぎた結果症状を起こす糖質依存症としての意味の2つです。
ここでは糖質を食べ過ぎた結果症状を起こす意味で糖質食べ過ぎ症候群として捉えます。糖質を食べ過ぎるとどうなるか考えてみます。糖質の食べ過ぎという概念はありませんが、一般的に考えつくのは肥満くらいでしょう。ちなみに肥満は糖質依存によって引き起こされる状態です。
糖質は主食である米小麦など炭水化物の主成分(炭水化物のうち食物繊維を除いたものが糖質です)です。実は肥満以外にも糖質の食べ過ぎによって起こる病気があります。つまり主食を食べ過ぎると発症する病気があります。これまで主食は多く食べることが推奨されていました。食べ過ぎると病気を引き起こすという発想自体がないため、糖質を控えるという対処法は広まってはいません。病気自体は知られていますが、糖質が原因だと今の所認識されていない病気もあります。
糖質の食べ過ぎが直接を引き起こす疾患は2型糖尿病です。2型糖尿病は血糖値が下がらなくなる疾患ですが、食べ物で直接血糖値を上げるのは糖質だけです。耐糖能をこえて糖質を食べ過ぎた結果2型糖尿病を発症します。そもそも糖質を食べなければ理屈の上では2型糖尿病にはなりません。また2型糖尿病を発症していても自分のインスリンの働きが残っていれば、糖質を食べないようにすることで血糖値がそれ以上上がることはなくなり、インスリンの働きにより各細胞で糖が使われることで次第に血糖値は下がります(参考:2型糖尿病が治りました)。ちなみに耐糖能には個人差があるため、同じ量の糖質を食べ続けても発症する人と発症しない人がいます。特に耐糖能の程度は遺伝性があるので、2型糖尿病の家族歴がある場合には、若い頃から糖質を控える方がお得だと思います。
他にもいくつか糖質を食べ過ぎたことで発症する、いわば糖質食べ過ぎ症候群とでも言うべき疾患が多々あります。少なくともアトピー性皮膚炎、ニキビ(尋常性ざ瘡)は間違いありません。大勢の方々が糖質を控えることで改善し、糖質を多く食べ過ぎること(負荷試験)で症状が再現されています。
糖質回避により改善する多くの疾患全てが糖質食べ過ぎ症候群なのではないかと思います。例えば花粉症をはじめとする各種アレルギー、自己免疫性疾患なども改善例があるのでこれらは全て糖質食べ過ぎ症候群なのではないかと思います。食べ過ぎると誰でも必ず発症する肥満とは異なり、人によって食べ過ぎで起こる症状が違うことが人々の理解を妨げました。糖質の食べ過ぎでどうやら何らかの免疫異常を引き起こすようです。免疫が本来なら働かない自己細胞に対して過剰に働くとアレルギーや自己免疫性疾患を引き起こし、本来なら働くべき免疫が抑制されるとニキビなどの感染症を発症するようです。
高血圧も糖質食べ過ぎに伴う塩分過剰摂取によって発症する、糖質食べ過ぎ症候群の一種なのかもしれません。糖質依存だけでなく、塩分依存にも陥る共依存の関係で、高血圧を発症している可能性があります。
高脂血症も糖質食べ過ぎに伴い栄養の過剰摂取が原因かもしれません。そもそも高脂血症の薬での治療は必要ない上に、薬のせいで様々な病気を引き起こしているという話もあるため、糖質を控えて様子をみるのがお勧めです。
ここでは病態の説明は省きますが、一部の癌も糖質食べ過ぎ症候群の一種ではないかと考えています。
これから糖質食べ過ぎ症候群がまだまだ判明してくると思います。
そろそろ糖質との付き合い方を見つめ直す時期なのかもしれません。もしかしたら近い将来二・三十年もすると、「主食なんて食べ方をしてたんだって」「信じられない!病気になるのは当たり前じゃない!」と言われる時代が来るかもしれません。かつてビタミンの知識が無かったために多くの人々が脚気になって命を落としてしまったように、糖質の食べ過ぎの知識が無いために多くの病気に悩まされているようなものですから。糖質食べ過ぎ症候群は現代の脚気のようなものかもしれません。