今回は魔法の言葉です。
魔法の言葉とは短い言葉で真意を一瞬で伝える言葉のことです。
誰でも魔法の言葉を使うことが出来ますが、1日に何回も説明する機会のある医師にこそ魔法の言葉を習得するお得ではないかと思います。
以前は病気が治らないことを一言で伝える魔法の言葉を書きました。現代の医学で病気が治らないはずが無いと思い込んでおられる方には、言葉で病気が治りませんと伝えてもなかなか理解してもらえません。一言で「そんな魔法みたいな治療はないんですよ」と伝えると一瞬で御理解いただけます。
今回の魔法の言葉は「〇〇するのは勿体無いですよ」です。医師は余り使わない言葉遣いですが、効果は絶大です。
具体的な使い方は抗アレルギー剤の使い方です。痒みがあれば抗アレルギー剤の内服を行い、痒みが無ければ抗アレルギー剤を内服する必要はありません。ちなみに抗アレルギー剤を内服を継続した方が、効果が高いという論文はありますが、製薬会社がスポンサーとして研究した論文のようです。その論文を根拠に抗アレルギー剤を処方すると製薬会社も医者も儲かるので、都合が良いようです。
痒みは間違った免疫反応によって引き起こされます。抗アレルギー剤の内服はこの間違った免疫反応を止めることを目的とします。間違った免疫反応が起こっていなければ飲む必要はないはずです。痒みが治れば内服しなくて、良いですよとお伝えします。患者さんとしては内服は必要は無いと言われて、副作用があるから本当は出来れば飲まない方が良いのかと心配されることがあります。または飲まないと痒くなるのが不安だから飲みたいという心理になる方もおられるようです。
そこで魔法の言葉の登場です。「抗アレルギー剤は痒みを抑えているだけなので、痒くないのに抗アレルギー剤を飲むのは勿体無いですよ」とお伝えすると、一瞬で納得してもらえます。そもそも痒みは糖質を食べ過ぎて数時間で出るので、糖質を控えると痒みは改善しますので抗アレルギー剤なんて必要無くなります。そのことを一言で伝える魔法の言葉が「勿体無いですよ」です。
この「勿体無い」という言葉には、危険な訳ではありませんが無駄になりますよという誰にでもわかるニュアンスが含まれています。良かったらお使いください。