営業マンの勘違い

営業マンの多くは自社商品を売ることが仕事だと勘違いしています。自社の商品を売ることで給料をもらうのですから一見当たり前のようにも思います。
歩合制の営業マンであればその思いは顕著かもしれません。
少しでも相手が興味を持ってくれれば必死でアピールします。売ることが仕事だと思い込んでいるので、いかに相手に欲しいと思わせるかが勝負だと勘違いしています。そして無意識のうちに「衝動買いの心理」を巧みに操って買う気にさせるのです。確かにそのやり方で売り上げは上がるとは思います。しかし所詮「衝動買いの心理」が買わせた衝動買いです。我に返ったときに失望感に襲われ、結局損をしたという印象を残します。

やり手であればやり手な営業マンである程、話さえさせてもらえれば売る自信を持っています。やり手とは欲しい気にさせるだけで、本当にその人にとって有用かは問われませんでした。営業マンの勘違いとは、自社製品を売ることだと考えることです。だから営業ではなく、欲しい気になるように説得をしてしまうのです。それでも営業マンに頼らざるを得なかったのは、営業マンと消費者の持っている情報に大きな隔たりがあったからです。営業マンから情報をもらうしか情報を得る手段がないため、この関係が成り立ちました。

これからは違います。何故なら情報が簡単に手に入るからです。

営業マンが活躍したのは、かつては商品の全ての情報を消費者が得ることが困難だったからです。商品の情報を得るために営業マンから聞くしか他に選択肢がなかったからです。今では多くの情報がインターネットから得ることが出来ます。全ての情報がインターネットにある訳ではありませんが、商品を売ることを考えているのにもかかわらずインターネットに情報を載せていないのは合理的ではありません。何らかの隠したい不都合なことが潜んでいる可能性が考えられます。

更にインターネットが破壊力があるのは、消費者の使い心地まで知ることが出来ることです。説得マンの説得を聞くよりもはるかに有用な情報をもたらせてくれます。

これまでは営業マンが小売店を回って商品を扱ってもらい、消費者に小売店から売ってもらうビジネスモデルも破綻に向かいつつあります。何故ならメーカーが直接消費者にインターネットを使って販売するようになりつつあります。このことを一つとっても、営業マンが必要なくなりつつあることがわかります。そしてメーカーは小売店を通して消費者に物を売ることを避ける傾向があります。以前は小売店の立場を考慮していましたが、今後は消費者と直接やり取りするので、小売店はいらないと販売しつつあります。小売店に遠慮する必要がないと考えるようになりつつあるのです。その証拠に小売店への卸値でインターネットで直接消費者に販売するのです。メーカーに入るお金は同じで、消費者のためにはなりますが、小売店に売り込む営業マンは要らなくなってしまいます。

小売店としても「衝動買いの心理」を使って説得される恐れのある営業マンを相手にするよりも、インターネットから仕入れるようになるのではないでしょうか?

最終的には商品の魅力をインターネットが伝え、直接メーカーが消費者に販売するようになると思います。営業マンという仕事がいつまで成り立つか、考えておく方が良さそうです。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。