流行る回転寿司と倒産する回転寿司の違い

安くて美味しく気軽に食べることの出来るお寿司を提供してくれる回転寿司ですが最近流れが変わりつつあります。

回転寿司はお寿司という高級な食べ物を、様々な工夫により庶民の食べ物としてくれました。庶民にとっては滅多に食べられない高級な食べ物がちょっとした贅沢にしてくれました。仕入れの工夫や手間を省くことなど様々な知恵と工夫により美味しいお寿司を安く提供するのが回転寿司の特徴です。

しかし最近では回転寿司が倒産することもあるようです。倒産する回転寿司と行列の出来る回転寿司の違いを考えてみます。

その違いは一言で言えば工夫しているかどうかです。流行る回転寿司は工夫をしていますが、潰れる回転寿司は工夫が足らないのです。工夫といってもメニューや価格などの小手先のものではありません。それは程度の差が多少あるだけで、どの回転寿司も工夫しています。ここでいう工夫とはシステムの工夫です。メニューや価格の工夫すら出来ない回転寿司はかなり早い段階で淘汰されています。現時点で残っている回転寿司はメニューや価格の工夫はされているものの、他の工夫が足らないのです。

回転寿司が広まった理由

回転寿司が広まった理由は元々高いお寿司を安く素早く提供したことでした。当初は安かろ悪かろうの一面もありましたが、魚の仕入れ方や流通を工夫することで驚く程の低価格を実現しました。安くてその上美味しかったので急速に広まりました。ライバルは回っていないお寿司屋さんでした。比べるのがお寿司屋さんだったので圧倒的に有利でした。

機械化も行うことで機械で作ったシャリの上にネタをのせるだけになり、元々の職人さんが握るお寿司とは少し違う食べ物になりました。しかし回転していないお寿司との価格差から考えると、問題になる程の差と考える人はほとんどいません。ほとんどというのは差があると考える人は回らないお寿司屋さんに行くだけのことです。回転寿司のお寿司に物足らなさを感じる人は、そもそも回転寿司のお客さんにならないのです。

回転寿司が画期的だったのは価格と手軽さでした。回らないお寿司屋さんの時価という得体の知れない価格体系を取り払ったことでした。お寿司を回らせることでその場で握る必要がなくなり、回らないお寿司屋さんよりも食材の廃棄も減らすことが出来たのも価格を抑えることに役立ちました。

倒産する回転寿司の陥った罠

私の考える理由であって全てに当てはまる訳ではないと思います。倒産する回転寿司の理由の一つの考え方だとお考えください。

まだ生き残っている他の業種でも同じ現象が起こると思います。何らかの理由にのりまだ競争がないだけのことです。思いつく人がいないだけなのか、参入しても大した市場が期待出来ないだけなのかはわかりません。回転寿司が一足先に競争に陥っただけのことです。

倒産する回転寿司が陥った罠はシステムの問題だと思い至らなかったことではないでしょうか?倒産する前にお客さんは減るはずです。経営陣はメニューや価格を見直します。しかしお客さんは他店のシステムを経験し、お寿司が回っているだけでは満足しなくなっているとメニューや価格では呼び戻すことは出来ません。

過去の成功体験という罠により新しいことを取り入れることを怠ったからだと思います。この罠はどの業種にも当てはまります。経営が行き詰まった日本の家電メーカーにも当てはまりますし、様々な業種で見受けられます。しかし本人達は気付くことが出来ず、メニューと価格の中からありもしない答えを探そうとして迷走してしまいます。

具体的な差

流行る回転寿司と倒産する回転寿司の差の一つはタッチパネルです。タッチパネルを導入していない回転寿司はかなりのハンディキャップを背負っています。確かに設備投資は必要ですが、導入するか導入しないかではないはずです。いつ導入するかだと思います。このことを理解出来ない回転寿司は淘汰されてしまうことでしょう。

何故ならタッチパネルは店員何人分もの働きをするからです。しかも間違いがありませんし、後で間違いがないかを確認することが出来ます。店員が注文を聞く何倍ものメリットがあります。それを導入出来ないと淘汰されてしまいます。まだタッチパネルを導入していない回転寿司はこれから苦戦すると思います。近くにタッチパネルの回転寿司が出来た時点で倒産の危機に陥ります。

もう一つの差は専用レーンです。専用レーンがあることで他の人が間違ってとってしまうという注文ミスが無くなることが一番のメリットです。席まで注文を届ける専用レーンが無くても、今の所倒産する程の差にはならないとは思います。しかし最終的には回転寿司はタッチパネルで注文し、専用レーンで運ばれるスタイルに落ち着くと私は思います。回転寿司から回転レーンが無くなる可能性があるのです。回転レーンを残したまま専用レーン併設か回転レーンのみかです。専用レーン無しの回転寿司は時間と共に淘汰されるように思います。何故なら専用レーンが無いことでお客さんが得することが無いからです。その分安い価格なら得をするのかも知れませんが、価格が同じにら専用レーンのある回転寿司に人は流れるように思います。その過渡期なので混雑していると私は思います。

他の業種において

回転寿司の競争から他の業種に目を向けるとわかることがあります。あるハンバーガーチェーンも旧態然とした販売方法です。競争相手がいないことでシステムの見直しをしていないのです。回転寿司では早くからタッチパネルが導入されました。注文を受けるのに店員に任せるのは経済的ではないからです。それにも関わらずハンバーガーチェーンでは店員が注文を聞くのはまだそこまで合理化が進んでいないからです。詳しくはこちら。回転寿司で倒産するのは、メニューや価格の中に答えがあると考えて手探りでメニューや価格を工夫するだけだからでした。システムの見直しをしていないから経営が苦しくなったことに気付かないのです。某ハンバーガーチェーンもメニューや価格を工夫していますが、答えはシステムの見直しだと思います。倒産までに気付くのか倒産してしまうのか興味深いところです。

とてつもないスピードで世の中が変わっているのですが、過去の成功体験にとらわれて変わることを拒む人達がいます。取り残されると淘汰されてしまうことにそろそろ気付く方がお得だと私は思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。