恩を仇で返されるという考え方があります。私は根本が間違っていると思います。そもそも恩を仇で返されるとは、相手のためになること(恩)をしてあげたにも関わらず、こちらの害になる行動(仇)をとられた場合に使う言葉です。
ここには考え方の間違いがあります。受けた恩は忘れず、与えた恩は忘れるべきです。恩は受けるものであって与えるものではありません。恩を与えたと思っているから腹が立つのです。そもそも恩とは受けた側が感じるものであって、行動した側が感じるものではありません。与えた恩を忘れずに覚えておく時点で、見返りを目的とした浅ましい行動でしかありません。
相手のためになればそれでよいのです。見返りを求めるために行動しているから恩を仇で返されたと感じるのです。恩を仇で返されたと言っている人は見返りを求めて行動していた表れでしかありません。実際には見返りを求めて行動した訳ではないにしても、相手の思いがけない行動に驚いて、何か悪いことをしたか振り返ると恩を感じてくれても良いはずなのにと考えるのでしょう。そこで恩を仇で返されたと言ってしまうのだと思います。ただ見返りを求めて行動したので無ければ、あえて恩を仇で返されたとは言わない方が良いと私は思います。
世の中には色々な人がいるものです。人間関係や状況は刻一刻と変わります。人からしてもらった人として恩は忘れてはいけませんが、人にしてあげたことはすぐに忘れる方がお得です。何故なら相手が恩を感じるのか恩を感じないかは相手の問題だからです。相手が恩を感じているはずだと勝手に期待しても、何も感じていなければ意味がないからです。もし万が一にでも恩を感じてくれていれば、幸運くらいに考える方が良いと思います。
自分が覚えていなくても相手が覚えてくれていれば良いではありませんか?人のためにしてあげたことは早く忘れましょう。そうすれば少なくとも恩を仇で返されることは無くなります。何故なら相手にしてあげたことを忘れているから恩と仇という捉え方が無いからです。