車販売店や家電量販店でお得意さんに来店記念として粗品を配ることがあります。わざわざ来てくれた善意のお礼なのでしょうか?実は経営上車販売店や家電量販店が粗品を配る方が得なのです。つまり自分達が得をするためにわざわざ粗品を配るのです。
粗品を配るのは案内葉書を持参した人に対してです。案内葉書無しでも来てくれるお客さんに粗品はプレゼントしません。そのことから来店してくれたただの善意のお礼という意味ではないことがわかります。何故なら案内葉書を持参した人と持参していない人を区別しているからです。
ついで買いをしてもらうことが目的だと知っている人もおられるかも知れません。車販売店ではオイル交換、家電量販店では電池などの消耗品のついでを狙うというものです。しかし本当の目的はもっと奥深いものなのです。
粗品を配る目的
案内葉書を持参してくれた人に粗品を配るのは、明確な目的があります。会社の利益をあげることです。粗品を配ることが会社の利益に繋がるのです。その理屈をみていきます。
案内葉書で粗品を配る第一の目的は来店してもらうことです。いわば粗品は撒き餌のようなものです。エビで鯛を釣るという諺がありますが、粗品で物を売ることが目的です。
お客さんの立場からすれば、車販売店や家電量販店は物を購入する目的で来店するものです。何も買わないのにわざわざ店に行くことはありません。本来なら店に行くことのない人を呼び込むために粗品を配るのです。
お客さんは車販売店では新車や他の車を見ることで、家電量販店では新製品や他の電気製品を見ることで購買意欲が刺激されます。この購買意欲の刺激こそが、わざわざ粗品を配ってでも来店を促す目的なのです。
来店してもらう本当の目的
そして最大の目的は購買意欲の刺激から更に「衝動買いの心理」を刺激することで、購入に繋げたいのです。「衝動買いの心理」は今しか手に入らないとか、手に入れないと後悔すると脳が錯覚することによって起こります。「衝動買いの心理ま」を刺激するためにお店は、期間限定のキャンペーンを行います。先程の撒き餌に対して網を張っているようなものです。網にかかるとお店の思惑通り、まんまとお買い上げとなります。
対策は簡単です。一つは商品を見ないことです。もう一つの対策はもし欲しいと思っても「衝動買いの心理」なので、10分別のことを考えてみることです。10分頭を冷やすと考えても良いでしょう。「衝動買いの心理」は10分で弱まるのです。10分買うか買わないかを考えるのではなく、全く違うことを考えてみるのが一番です。10分後に買うか買わないかを改めて考えることをお勧めします。更に付け加えるなら、買った後実際に使うことを想像してみることです。その商品を買うことで何が変わるか、その対価である価格は自分にとって適切かを考えるのです。ローンを組んででも買いたいと思うのは網に絡め取られているように思います。もう一度商品により何が変わるのか考えてみましょう。
衝動買いの確認
「衝動買いの心理」による衝動買いをしてしまったかどうかは、買った後でわかります。後悔するかどうかです。後悔したら「衝動買いの心理」による買い物をしてしまったということです。次は賢く買い物をしましょう。
粗品の考え方
粗品は「衝動買い」を誘う撒き餌です。そこには「衝動買いの心理」を刺激する針がついているのです。まんまと釣り上げられないように気をつけましょう。
本当に欲しい物を買うのであれば問題ありませんが、「衝動買い」であれば勿体無いと私は思います。買い物自体が好きで、買うことが娯楽のように感じられる人には「衝動買い」も楽しみの一つなのかも知れません。撒き餌をまいてもらえるのは、楽しみが増える感覚で嬉しいかも知れません。
買い物自体が目的ではない、物を手に入れることが目的の人は「衝動買い」は避ける方が良いと思います。粗品をもらう際には気をつけましょう。
車販売店や家電量販店は表向きは見返りを求めてはいないので、遠慮なく粗品をもらいましょう。購入したら差し上げますといった具合の見返りを求めていないのは、見返りを求めない商売の仕方で成り立つからです。お客さんが粗品をもらっても「衝動買い」しなくなれば、粗品代が勿体無いと考えるようになるので粗品の仕組みがなくなります。私個人は来店で粗品進呈の仕組みがいつまで残るか興味深くみています。そして「衝動買いの心理」を利用して無理な商売をしている企業は、近い将来衰退してしまうと思います。消費者が車はただの移動手段、電気製品は生活を便利にするものと考えるようになると誰も「衝動買い」しなくなります。何故ならより良いものが欲しい欲求が「衝動買いの心理」を引き起こすからです。人類が賢くなると、いずれ「衝動買い」はなくなるのではないかと思います。