貯蓄には無駄を省くより生活レベルを見直す

以前お金を貯めるには給料アップより意識改革と書きました。わかりにくいかもしれないので、改めて書いてみようと思います。

お金を貯めようと思うとお金の使い方の中から無駄を無くすという発想になりがちです。余程いい加減なお金の使い方をしていない限り、都合良く無駄な支出は見つかりません。何らかの理由があって支出している訳ですから、自分で考える限り無駄は元々ないのです。他人に無駄を探してもらうなら話は別です。事業仕訳で無駄が指摘されたのは同じような理屈です。自分では必要だと思い込んでいても、他人の判断では無駄以外の何物でもないのです。家計相談で他人の判断をしてもらうと上手くいくのは、他人と比較すると無駄だと客観視的にわからせてくれるからです。通常は他人に支出の判断をしてもらうことは出来ませんので自分で考えるしかありません。お金を貯めようとしてもなかなか上手くいかないのは、ありもしない無駄を探すからです。

生活レベルを見直す

無駄という視点で支出を見直しても、見つかりません。何故なら自分にとって全て必要な支出だからです。生活レベルを見直すと話が変わってきます。今の年収を元に生活レベルを決めがちですが、その生活レベルの設定に問題があるのです。お金を貯めようと思えば、今の生活レベルを見直すことです。同じ生活レベルの人達がしているからという理由で、合わせる必要はありません。しかしお金が貯まらない人は、無意識のうちに生活レベルが上がってしまっているのです。

生活レベルを見直すとは、簡単な方法は貯蓄したい額を引いた年収の生活レベルと比べるのです。具体的には年収400万円で年間100万円貯蓄したいと思えば、400万円から100万円引いた年収300万円の生活を考えるのです。税金などのため厳密には異なりますが、考え方を変えるきっかけになると思います。年収1000万円あっても年間200万円貯めたいと思えば、年収800万円あるいは年収700万円の人の生活レベルに見直すのです。年収1000万円を超える年収があっても貯蓄が少ないとして家計相談に訪れる人がいるのは、生活レベルがその年収をこえる状態に陥っているからです。言い換えると年収が多くなると気が大きくなってしまうのです。気が大きくなった結果生活レベルが引き上げられただけで、実力が伴わないため貯蓄が出来ないのです。

生活レベルを見直す際に邪魔するのが見栄です。人目を気にして生活レベルを落とすことが出来ません。そういう人は他人のことも気にしがちで、生活レベルが変わった人を見ると内心落ちぶれたと蔑んでいます。人のことを蔑む心があるからこそ、人目を気にしてしまうのです。

私は生活レベルを見直し生活レベルを下げることは無駄を省く行為でしか無いと思います。飾り消費が削ぎ落とされ、実消費だけが残るだけだからです。例え落ちぶれたのだとしても、他人に迷惑をかける訳ではありません。落ちぶれたと陰口を叩くのは、人を貶めることで優越感に浸りたい歪んだ心理がさせるだけのことです。気にするだけ時間の無駄です。

飾り消費を無くし、実消費だけで生活すると年収が変わっても生活が変わらなくなります。生活レベルを見直し、飾り消費である見栄消費と贅沢消費が馬鹿らしいと思えるくらい突き詰めて考えてみると違う景色が見えてくるのかも知れません。良かったら一度考えてみて下さい。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。