塩分依存という新しい概念

糖質依存という概念はどうしても糖質をやめられない人が自嘲的あるいは比喩的に使うこともあり最近では受け入れやすい考え方かもしれません。しかし糖質依存は列記とした禁断症状まである病的な依存であることはまだ余り知られてはいません。糖質依存を書いた際も新しい概念と書きましたが、2年経った今となっては私にとって当たり前の概念です。塩分依存という新しい概念と書きはしましたが、これだけ減塩に失敗する人達がいることから塩分依存の人達が多いのは明らかです。私は知らなかっただけに過ぎず、時間をかけて人々に受け入れられていくと思います。

塩分依存

今回は糖質依存と共依存の関係にありがちない塩分依存という新しい概念を提案してみたいと思います。
そもそも依存とは病的な状態で、自分の意志では摂取量をコントロールできないことを言います。依存症を引き起こすため、依存症を避けるために摂取量の制限が必要だと理解していても自力でコントロールできない状態をいいます。具体的には塩分依存症の一つは高血圧です。塩分の摂り過ぎにより高血圧を生じることがいわれていますが、塩分摂取量を控えるようにいわれても実践できないのは塩分依存状態に陥っているからです。そして塩分を一度摂り始めると止まらなくなり、より塩辛いものを求めるようになってしまいます。辛いものを追い求めるという意味では唐辛子依存に通じるところがあるかもしれません。

依存は自己抑制がきかない状態です。少しでも塩味を感じてしまうと満足する塩気になるまで塩辛く味付けをしてしまいます。ちょうどアルコール依存の人がアルコールを一滴でも飲むと止まらなくなるのと同じです。ニコチン依存の人が我満して禁煙していたにも関わらず、1本タバコを吸ってしまうと止まらなくなるのと同じです。

塩分依存に陥ると味覚障害に近い状態に陥ってしまいます。絶えず塩気に飢えているような状態のため、とにかく塩気を求めてしまいます。十分塩味がついているのに塩を足してしまうのです。もしかしたら料理人の人の味付けが塩辛く変わってしまうことがあるのは塩分依存に陥ったからかもしれません。
減塩で苦労してしまうのはアルコール依存の人がビールはコップ1杯だけと言われたり、ニコチン依存の人がタバコは1日1本と言われるのと同じです。糖質依存に陥っている人が少し食べると余計お腹が空くと感じるのと似ています。依存の心理から0よりもほんの少し摂取する方がより強くほしくなってしまうのです。
現実問題出来るかどうかは別にして、依存の心理から考えると中途半端な塩味を付けるよりも塩味抜きの味付けの方が塩分依存から抜け出しやすいと私は思います。

糖質依存と塩分依存の共依存

本来の共依存とは依存患者さんを支えてしまうことで、精神的に依存している状態をいいます。アルコール依存患者さんにアルコールを渡して手助けしてしまう家族のような存在のことです。アルコール依存によりトラブルを起こしますが、そのしりぬぐいをすることで自分の存在意義を見出してしまうことに依存してしまう心理状態です。お互いがお互いの依存を手助けするということで共依存といわれるようです。

今回提案する糖質依存と塩分依存の共依存とは、お互いが依存の度合いを高めあい抜け出せなくしてしまうのです。当初は糖質という甘味を打消し美味しく食べるために塩分を求めました。しかし知らない間に糖質にも塩分にも依存状態に陥ってしまっているのです。糖質依存の患者さんが塩分だけ控えようとして糖質を摂りたいためうまくいきませんし、塩分依存の人が糖質だけを控えようとしても塩気がほしいのでどうしても塩気がほしいので結果として糖質を食べたくなってしまうため成功しません。

糖質依存と塩分依存の共依存であることを理解することが、糖質依存・塩分依存からの脱出する第一歩だと思います。依存の心理を理解出来ないまま脱出しようとしてもうまくいかないのが現状です。何故ならどちらも少し減らすと依存の心理により、より摂りたいという欲求に襲われるからです。

糖質依存と塩分依存の抜け出し方

一番の対策は糖質依存・塩分依存の状態であることを理解することです。
糖質依存の抜け出し方は比較的簡単です。糖質を減らすのではなく意識して食べないこと(糖質回避)です。具体的には1回の食事においてお米を半分にするのではなく、1回の食事ではお米を食べないのです。3食食べているお米を1食やめてオカズだけ食べるようにするのです。慣れてきたら2食、3食と抜くことがおすすめです。糖質依存の状態で糖質を少しだけ食べると余計食べたくなるという心理が働きます。それこそが糖質依存の心理状態を表したものです。自己抑制できなくなるということです。

元々塩気は糖質の甘味を打ち消す目的で食べ始めるものです。パンにバターが塗りたいのも、おにぎりに塩をするのも糖質の甘味を打ち消して美味しく食べるための工夫です。そのため糖質依存から抜け出すことができると、共依存状態である塩分依存からも抜け出せるため自然と減塩できる可能性が高まります。しかし中には糖質を摂らなくても塩分だけは摂りたい方もおられるようです。そういう方は意識して塩分を摂らないように気を付けるしかありません。この場合も糖質依存から抜け出す方法を参考に、塩気を減らすのではなく塩気を摂らないようにすることが大切です。一口だけなら漬物を食べるとか、一口だけ明太子を食べるというように量を加減して食べると美味しくて次々食べたくなってしまいます。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。