いじめにより中3の女子生徒さんが自殺されたそうです。
心よりご冥福をお祈りいたします。
1年半前の出来事ですが、今週になり自殺と認定されたことで話題になっています。
その経緯に問題があると考え、書いてみることにします。
いじめについて
動物同士でもいじめがある(参照:動物がイジメをする理由)ため、動物の一種でもある人間にいじめがあることは仕方のないことです。いじめがあってはいけないという考え方をしているために、いじめがあると隠すようになってしまうのです(参照:いじめを学校が隠蔽する理由)。
動物でもいじめをするのですから、動物よりも知能の高い人間がいじめをしてしまうことがあるのは仕方のないことです。かといっていじめを容認するわけではありません。視点の問題です。いじめをあってはいけないものではなく、あることが当たり前のものと考えることが大切だといいたいのです。
あってはいけないものだから隠すから、あることが当たり前だから対策を考えると視点を変えるのです。いじめがあることが当たり前なので、いじめを見つけて解決することに主眼をおくのです。あってはいけないものであれば、あれば隠そうとしてしまうのです。いじめがあることが当たり前であれば、見つけて解決したことを褒めるのです。そのように視点を変えることでイジメを減らすことができると私は考えます。
今回の問題点
死後1年半経過してから教育委員会は自殺と認めたそうです。
問題点としては新たな事実が出たことではなく、対応に不備があるため家族が文部科学省に問題定義したことで教育委員会が指導を受けた結果速やかに判断が変わったのです。同じ情報により指導され判断が変わったということは、つまり隠蔽していた証拠ということです。
第三者委員会の調査でもいじめはなかったという結果にも関わらず、文部科学省の指導だけで判断が変わってしまうことにも問題があります。
つまり第三者委員会が第三者ではなかった証拠のようです。
いじめはないことにするけど調査していますというのが第三者委員会だったようです。いじめを隠すという結論を決めてから行動していたように見受けられます。
私なら教育委員会に判断が変わった目的を聞きます。これまで1年半にわたりいじめがなかったことになっていたにも関わらず、突然いじめが出現した理由です。その後いじめがなかったことにしていた目的、いじめと認めた目的を聞きます。
いじめの対策
いじめがあることを前提に対策を考えることが必要だと思います。医療分野では人的ミスがあることを前提にミスを失くす仕組みを構築しています。ミスがあってはいけないではミスを隠してしまいます。隠していてはミスは失くせません。ミスがあることを前提に、ミスを繰り返さないために工夫するのです。ヒヤリハットという仕組みです。ヒヤリとした瞬間やハットした瞬間などミスに至らなくてもミスに至る可能性があることに気付けば情報を共有し、再発防止策を事前に対策するのです。ヒヤリハットの仕組みの秀逸なところは、ミスをした人が責められる・責任を取らされることを目的とせず、取り返しのつかないより大きなミスを防ぐことを目的としていることです。
いじめがあることを前提に、いじめを見つけだし対策したことを褒める仕組みを作るのです。多くの場合いじめをした本人にはいじめをした自覚などありません。いじめをしない、いじめを出来ない仕組みを作ることを目的にいじめの疑いがあることを情報として共有するのです。
いじめをした人を責める仕組みではなく、いじめをしないあるいは出来ない仕組みを作り上げるです。
学校の先生が自分の学校ではいじめはありませんと胸を張っていますが、いじめはあってはいけないので無いことになっています。つまりいじめは見つけませんということと区別がつかないのです。
学校の先生が自分の学校では10件のいじめ予備軍、2件のいじめ認定がありましたが生徒たちが転校することなく無事解決しました。2件のいじめは残念ですが、大事に至らず良かったです。今後はいじめ予備軍の間に発見できるように仕組みを更に工夫します。という報告が望ましいと私は思います。
私は通報システムを作るべきだと思います。いじめ予備軍でもいじめ、いずれでも本人が不快に感じた時点で学校とは別の組織に通報できる仕組みにするのです。別組織にする目的は隠蔽できないようにすることです。そしていじめの認定があればいじめられた人間が転校するのではなく、最悪の場合いじめをした生徒を転校する仕組みにするのです。そうすればいじめる側の生徒は転校したくない心理が働くため、自然といじめをやめる方向に仕向けることができると思います。
いじめはあってはいけないものから、いじめはあるから大事になる前に対処するものという認識を改めることこそが大切だと考えます。
最後にもしいじめられている立場の方がこのサイトを見られた場合を想定して、究極の解決策を書いておきます。いじめのある集団から逃げ出すことです。死ぬ思いをしてまで集団に所属し続ける必要はありません。逃げ出しましょう。そして逃げ出す手助けをしてくれる人をさがしましょう。
逃げ出しても追いかけてこられるかもしれないと不安になるかもしれませんが、追いかけてこられたらその時点で新たな逃げ方を考えましょう。