臭い匂いに慣れる仕組みとその理由と目的

人間には臭い匂いに慣れる仕組みがあります。その理由と目的を考えてみます。
臭い匂いに慣れる仕組みは、一言でいえば匂いの0点設定をするようなものです。その時点の長く続いている匂いを0とする仕組みのようです。これは自分自身の匂いが臭いか臭くないか判断が出来ないことと似ています。自分自身の匂いを臭いと感じ続けていると、他の匂いを感じることができなくなってしまうからです。仕組みとしては人が物事に飽きる仕組みと同じような仕組みが働いていることが考えられます。同じ刺激が繰り返されると匂いを感じることに飽きてしまうのかもしれません。新しい匂いには比較的反応するものの、強烈であっても同じ匂いが継続されていると匂いを感じにくくなる仕組みのようです。

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臭い匂いに慣れる理由は、自分の匂いを臭いと感じてしまうと他の匂いがマスクされてしまうからです。意味ある臭い匂いなのか、元々の匂いなのかわからなくなってしまうことを避けるために元々の匂いは感じなくするような仕組みが備わっているようです。いわば雑音なのか意味のある音なのかわからなくなるため、元々ある音を雑音としてカットするようなものです。

人間が目的をもってわざわざ匂いを感じ取る感覚を身につけた訳ではないとは思いますが、臭い匂いに慣れる目的は匂いの変化を鋭敏に感じ取るためです。臭い匂いを感じ続けてしまうと他のかすかな匂いの変化を感じ取ることが出来ないのです。臭い匂いに慣れる仕組みがあれば、臭い匂いを感じなくなるためかすかな匂いの変化を感じ取ることができるようになります。

自然淘汰の歴史においては臭い匂いに慣れることのできなかった人類の祖先は、かすかな匂いの変化に気付くことができず淘汰されてしまったのでしょう。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。