子供を闇雲に褒めて育ててはいけない理由

世間一般では子供は褒めて育てようという風潮がありますが、私は子供を褒めて育ててはいけないと考えています。絶対に褒めてはいけないというような極端なことを言いたい訳ではありません。わざわざ褒めるところを探してでも褒める育て方は勿体無いと考えているのです。その理由を書いていきたいと思います。

褒めるとは?

そもそも褒めるとは出来ないと思っていること、つまり出来ると期待していないことが出来た際に賞賛することです。つまり褒めるのは相手が出来ないと思っていた現れなのです。だから目下の者が目上の者を褒めると違和感を感じるのです。

凄いですねと褒められれば、この人は自分に期待していなかったと理解すべきなのです。褒められたら本当は残念がらなければいけないのです。褒められて喜ぶのは自分も出来ないと思っていた場合です。自分にとって当たり前のことをして褒められても大して嬉しくないのは、出来て当然だと考えているからです。

闇雲に褒めて育ててはいけない理由

闇雲に褒めて育ててはいけない理由は、闇雲に褒めて育てていると子供や人が褒められないと行動しなくなるからです。褒められることが目的と勘違いしてしまい、褒められるために行動するようになるのです。いわば褒められることに心理的に依存するのです。褒める側からみても褒められている人は喜びます。その褒められた人が喜ぶから褒めるという依存に陥る、お互い共依存の状態に陥ることもあるのです。

子離れ出来ない親や、親離れ出来ない子供は褒めて褒められの共依存状態なのかもしれません。

親が子供を一生褒め続けることは不可能です。だから闇雲に褒めて育ててはいけないのです。親に闇雲に褒められて育てられた人は、自分が行動すれば褒められることが当然だと勘違いしています。褒められるためにわざわざ行動しているのに、期待通り褒められないとやる気をなくしてしまうのです。歪んだ心理が潜んでいると、自分は努力しているのに正当に評価してくれない相手に対して敵意を抱いてしまいます。

つまり目的を勘違いしてしまうから褒めて育ててはいけないのです。本来の目的を知らず、褒められることが目的なので、ズルをしてでも褒められようとしてしまいます。

褒めて育てていては自立出来ない子供に育ててしまうのです。自立出来なくても良ければ闇雲に褒めて育てると良いと思います。

褒めて育てているつもりが、闇雲に褒めて自立心を摘み取ってしまっているのかもしれません。勿体無い褒め方です。

褒め方の提案

闇雲に褒めてはいけないのは上記の通りです。闇雲に褒めてはいけないだけで、褒め方に気をつければ褒めても構わないと思います。その褒め方を提案したいと思います。

出来なかったこと、出来ないと思っていたことに対してだけ褒めるようにしましょう。いつも出来ることを闇雲に褒めるのは、自分の意思で頑張る力を削いでしまう勿体無い褒め方です。

褒める際に出来ないと思っていたかどうかを考えて、褒めるかどうか決めるのです。出来ないと思っていたのであれば素直に褒めれば良いと思います。出来ると思っていたのであれば、日頃の努力の賜物なので出来ると思っていたよと笑顔で伝えてあげれば良いのです。

ちなみに「学力」の経済学によると褒めるのは結果ではなく、過程が良いそうです。何故なら結果は偶然や様々な要因によって左右されてしまうため、必ずしも自分だけの要因ではないからです。どのようにすれば同じ結果が得られるか自分でもわからないため、再現性がないからです。その点努力の過程を褒めると、自分が努力すれば良いだけです。他の要因に左右される紛れがありません。結果は残せなくても努力することを褒めると、次の努力を厭わなくなるのです。

適切に褒めましょう

何でもかんでも闇雲に褒めると褒められることが目的になってしまいます。

絶対に褒めてはいけない訳ではありません。適切に褒めるようにしましょう。

出来ないと思っていたことが初めて出来たのであれば褒めるべきだと思います。逆に出来ると思っていたことが当たり前に出来ても褒めるべきではないと思います。

結果が伴わなくても特段の努力をしたのであれば、努力を認めてあげるべきだと思います。努力を認めてあげるだけで、次の努力が出来るようになります。

子供や人の褒め方、一度考えてみてあげてください。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。