反則タックルが刑事事件になるかどうか取り沙汰されている某大学アメフト部ですが、どうやら大学ぐるみの隠蔽をするつもりのようです。
隠蔽の目的は年間95億円にものぼる補助金(参考:私大の補助金交付)を守るためのようです。最近ではいくつかの理由で減額され今年度は年間80億円程度との記載もありました。
補助金の取り扱いに関する決まり事が記載されている私立大学等経常費補助金取扱要領によると
(8) 学校経営に係る刑事事件により役員又は教職員が逮捕及び起訴されたもの
(9) 役員若しくは教職員の間又はこれらの者の間において訴訟その他の紛争があり、教
育研究その他の学校運営が著しく阻害され、又はその機能の全部若しくは一部を休止
しているもの
とあります。
ということは役員でもある元監督が指示を認めてしまうと、逮捕・起訴され何億円もの補助金が消えてしまう可能性があります。元監督がすぐに会見しなかったのは、しなかったのではなく出来なかったというのが正確な表現なのでしょう。何故なら自分が認めてしまうと最悪数十億円もの補助金がなくなってしまうため、大学関係者と話し合う必要があったことが類推できます。また訴訟になってしまうことでも補助金カットの可能性があるようです。万が一訴訟ともなれば連日の取材で学校運営が著しく阻害されると判断されても不思議ではありません。
学生の教育よりもお金の方が大切な人たちの集まりであることを露呈しているようなものです。そのことは加害学生の会見を全て否定して自己保身に走っている姿からも明らかです。
加害学生の会見の後、唯一挽回出来たとすれば監督・コーチが指示したことを認めて監督・コーチの職はもちろん、役員も辞任することでした。そのチャンスを逃してしまったので、後には引けない坂道を転げ落ちてしまっています。
自分達の都合の良い作文を読み上げる記者会見とはことなり、警察の取り調べが始まれば白状するかもしれません。少なくとも板挟みになっていたコーチは真実を話す可能性は十分あります。とはいっても現実には刑事事件での起訴は困難かもしれません。しかし民事で訴訟を関係者の誰かが起こせば上記の取り決めに触れる可能性が出てきます。そうなれば全額カットの可能性もある訳ですから、元監督を切り捨てて大学も指示を認めるようになるかもしれません。
しかし現時点で大学は加害学生を切り捨てて、補助金を守ることを選んでしまったようです。果たしてお金を払ってまで進学する価値があるかどうか疑問が沸き起こります。
いずれにしても某大学は勉学を学ぶ場としては不適切なように思います。さすがに定員割れになるとは思えないので入学する生徒数は減らないでしょうが、受験者数は減るでしょうね。ちなみに今年は商学部で定員を大きく上回る人数が入学してしまったため6億円もの補助金がカットされるようです。
某大学の今後の行方は正直なところ私には関係有りませんが、ワイドショーやテレビで報道されるので、生暖かい目で見守りたいと思います。
ただ立派な会見をした加害学生がこれ以上嫌な思いをしないことを祈るばかりです。