医者なら誰でもわかる病院受診のタイミングの提案です。
医者なら誰でもわかるというのは、病気の原因や経過などを知っているからです。しかし医者にとっては当たり前過ぎて、患者さんも当たり前だと思い込んでいます。病状が悪化してから受診して怒る医者がいるのはこのせいです。医者にとって当たり前の経過だから、もっと早いタイミングで受診出来ただろうと思ってしまうのです。
医者によってはとにかく早く来いということを言う人もいますが、それは自分の立場しか考えていないだけのことです。病院を受診しなくても治る状態でも受診した方が良いと言うのと同じで、患者さんの立場を考えていない考え方だと思います。
具体的に受診のタイミングをどのように考えるのが良いでしょうか?
病気は自覚症状があって受診する場合と、検診などで指摘され自覚症状がない状態で受診することがあります。今回の受診のタイミングは自覚症状に関してです。
昨日より今日病気が悪化していれば明日はもっと悪化する
受診のタイミングの判断基準は、一言で表せば自覚症状が改善しているか悪化しているかです。悪化していれば翌日も悪化する可能性が高く、改善していれば翌日も改善する可能性が高いです。このことを多くの医者が知っています。だから医者は病院を受診するタイミングは患者さんも自然にわかると思っているのです。患者さんにとっては出来れば行きたいない場所が病院です。お金がかかるだけではなく、医者から何を言われるか不安ですから出来れば受診したくないのです。だから病院に行くのは出来るだけ後回しにしてしまいます。今日は悪くなったけどもしかしたら明日は改善するかも知れません。そのように期待して先延ばししてしまいます。
受診のタイミングは、昨日よりも今日悪化していれば明日はもっと悪化します。明後日は更に悪化します。悪化の仕方は一直線ではなく、加速度的に悪化するので患者さんとしても慌ててしまいます。加速度的に悪化するのは細菌感染やウイルス感染が原因の場合です。細菌やウイルスが加速度的に増殖することが原因で症状が悪化してしまうのです。加速度的に悪化するとは昨日より今日2倍悪くなったとすると明日は4倍悪化し、明後日は9倍悪化してしまうのです。直線的に悪化するのであれば昨日より今日2倍でも明日は3倍、明後日でも4倍悪化するだけです。加速度的に悪化する可能性があることを理解しておくことをお勧めします(実際には細菌やウイルス感染であっても免疫が加速度的な増殖を抑えてくれるので直線的に悪化することもあります)
いずれにしても昨日より今日悪化していれば、普通は明日はもっと悪化するはずだということです。明日症状が変わらなければ悪化が止まったと判断して様子をみても良いかも知れませんが、悪化していれば速やかに受診する方が良いと思います。何故なら明後日は更に悪化するはずだからです。
受診出来る日に前日より悪化しては受診を検討する
仕事や学校の都合で受診出来る日が決まっていれば、ギリギリまで我慢せず受診出来るタイミングに合わせて早めに判断するとお得です。ギリギリまで我慢して受診すると、どうしても治るまでに時間がかかります。我慢した結果によっては救急病院を受診することになってしまうかもしれません。具体的には受診出来るタイミングが明日か5日後であれば、明日の時点で受診するかどうか判断するのです。明日症状が悪化していれば受診する方がお得です。明日悪化していれば5日後には更にもっと悪化している可能性が高いからです。悪化しているのに受診せず、5日後まで我慢出来ない程悪化しないあるいは改善する方に賭けるのは危険なギャンブルだと私は思います。明日受診しないということは、5日後まで受診しなくてもすむ方に一か八かの勝負に賭けるのと同じです。仮に明日と明後日受診出来るとすれば明日悪化していても、明後日受診出来るので、明日余程悪化していなければもう1日様子をみても良いかも知れません。
受診出来るタイミングで悪化傾向にあるのか症状が変わらなければ、早めに受診しておく方が結果的には病気が軽くて済むので良いと思います。
受診のタイミングを考える一助になればと思います。