炭水化物(糖質)の代わりにたんぱく質や脂質で栄養を得ようとすると、タンパク質の代謝産物である老廃物の処理のために腎臓に負担がかかるのではないかと心配される方もおられます。尿タンパクが陽性の方や腎機能が低下している方は注意が必要かもしれませんが、現時点で腎機能に問題ない方は恐らく心配ありません。
その根拠は私の経験上ですが、炭水化物を回避する前の元々のたんぱく質の摂取量とあまり変わらなくなるからです。(全体的に食べる量が減るので、タンパク質の量だけ考えれば元の量とあまり変わらない。炭水化物の分無駄に食べ過ぎていた感覚です)
腎機能が低下されている方は主治医の先生と相談されながら、腎機能を確認しつつ少しずつゆっくり糖質を回避するのがよいのではないかと思います。(糖質依存の考え方からは、少しずつ糖質を回避するのは強い意志が必要ではあります)
一般的には炭水化物などの主食は6割程度とることが目安とされています。副食つまりおかずが4割ですが、同じ量を食べる前提ですから10割食べるとなると2倍以上の量を食べることになります。
炭水化物をやめた直後は炭水化物による魔力の名残の影響で、たんぱく質を食べ過ぎてしまいますが、1・2週間程度で次第に食べる量が落ち着いてきます。
胃が小さくなると表現されますが、実際には糖質の魔力(糖質依存)で脳が騙されて胃が無理矢理拡張されているのが解除されるだけで、本来の胃の大きさに戻るだけです。
大きさが変わるわけではなく、炭水化物での魔力から開放され満腹感の感じ方が本来の満腹感に戻るだけだと思います。
腹八分と言われるのも本来の胃の大きさからすれば8割で満腹のはずなのに、2割分炭水化物の魔力に脳が騙されて、はちきれそうになるまで余分に食べてしまうだけのことです。
糖質依存の魔力・騙しがなくなれば元の8割程度でお腹がいっぱいで入らなくなります。それでも無理矢理食べようとしてもかなり辛く感じます。糖質依存が知らず知らずのうちに食べ過ぎを誘発し、いつの間にか太ってしまう元となります。
炭水化物を回避するとその分余分に食べなくてはいけないと考えてしまいますが、糖質分無駄な栄養を摂取していた可能性が考えられる程、最終的には食べる量が落ち着きます。糖質依存の際に食べていた食事のうち、おかずだけになっても十分おなかが満たされる感覚になるのです。
糖質回避前後でトータルのタンパク質の摂取量は、増えたとしてもそれほど極端には変わらないように思います。結果タンパク質量があまり極端に増えないので、腎臓の負担もそれほど心配しなくて大丈夫だと思います。