質問が下手な人とその理由

質問が下手な人というのはどこにでもいるものです。考えられることは2つです。相手の知識と自分の知識の差が認識できないかアナログ思考タイプなのかも知れません。

相手の知識と自分の知識の差が認識できない

自分の知っていることは相手も知っていて当然常識だと思い込んでいる人です。常識を疑わない人は、人も当然知っているとして知らないこと疑いませんし想像もつきません。何を聞きたいか自分の中ではわかっていても、相手の知っていることと知らないことの区別がつかないため、質問が支離滅裂に受け取られます。質問された側は知っていることと知らないが混在していることを、当然知っているとして質問されるので混乱してしまうのです。

相手の知らないことが認識できない質問者への対策

知らないこと・わからないことが質問に含まれていれば、逆にわからないことを確認していくことだと思います。

中には自分の知識をひけらかしたい輩がこの部類に含まれているので、厄介です。知識が多くて凄いと言ってもらうことが目的なので、適当に相手しましょう。

アナログ思考タイプの人

自分の中で思考の境界が不明瞭な人のことをアナログ思考タイプと表現していますが、自分自身の中でも区別が曖昧なため、聞きたいことも曖昧な表現となってしまいます。デジタル思考タイプの人であれば、2つの境界は何ですか?という簡単な質問で済みますが、アナログ思考タイプの場合境界が不明瞭なためどう聞いたら自分が理解できるかわからないのです。その自分でもわからないことを質問するので、質問された側ちわかる訳がありません。

アナログ思考タイプの人の対策

質問する場合、アナログ思考タイプの人の苦手な境界をはっきりさせ、何を聞きたいのか明確にしてもらうことです。

もしくは一言で答えられる質問に集約してもらうことです。アナログ思考タイプの人に物事を説明するのは多くの具体例から、アナログ思考の人が何となく読み取る必要があるかなり時間がかかります。アナログ思考の方に工夫してもらうのは、わからないことは何かを突き詰めて考えてもらい、何がわからないか一言にしてもらうのです。この突き詰める作業をアナログ思考タイプの人は人任せにしがちなので、質問が下手だと評価されてしまうのです。

何が聞きたいのか一言で質問してください

が質問が下手な人への究極の対策だと思います。

一つの言葉や事柄に多くの意味があります

人は無意識のうちに数多くの意味の中から一つの意味を特定して理解しています。
幾つもの意味があることに気付かず、自分の知っていることだけで判断してしまうと思わぬトラブルに発展することもあります。人と人の諍いの多くはこの言葉や事柄の意味の取り違えが原因です。意味の取り違えを実感できることを書いていきます。
私は言葉や事柄に含まれる多くの意味を『言葉の揺れ』と表現します。
そして人がどのようにしてその意味を捉えているのかを書いていきます。

言葉の含む多くの意味

家族四人で最後の食事。
この言葉にも多くの意味が含まれます
育った環境や今おかれている状況から、一つの状況しか思い浮かばない人もいます。
少し考えてみてください。

大きく分けて二つに分かれます。
家族が増えるから四人での食事が最後かもしれませんし、家族が減るから四人での食事が最後なのかもしれません。人は自然にその中から話をしている相手の状況から適切な言葉の意味を読み取ります。
楽しそうに言えば家族が増えるのでしょう。
悲しそうに言えば家族が減るのでしょう。
うれしいのにわざと悲しそうに伝え、減ると思わせて実は増えることを伝えると笑いにつながります。

楽しそうに話せば、4人で最後というのは赤ちゃんが生まれる期待を意味するのかもしれません。
悲しそうに話せば、4人で最後というのは離婚前を意味するのかもしれませんし、誰か命にかかわるような病気なのかもしれません。
特定されていなければ、良い意味も悪い意味も含むのです。

人は多くの意味の中から適切なものを選んでいる

あまり知られていないようですが、人は無意識のうちに言葉や事柄に含まれる多くの意味の中から、適切なものを選び出す能力を身に着けています。
話の早い人は多くのことを知っていることに加え、この言葉に含まれる多くの意味の中から適切なものを選び出す能力に長けていると表現できると思います。
まれに一つの言葉が多くの意味を含んでいることを知らず、相手に誤解を与えてしまう人がいます。いくつもの受け取り方ができる言葉を使いながら、話す人が一つの意味しかないと思い込んでいると意図せぬ受け取り方で誤解されてしまうのです。
政治家の失言が繰り返されるのはこれが理由です。
本人に悪気はありません。指摘されても意味がわからないと思います。

言葉の揺れ

言葉に様々な意味が含まれていることを言葉の揺れと表現しますが、言葉の揺れにより日常会話でも様々な誤解を生じる可能性があります。
言葉の揺れによる誤解を避けるためには、言葉の揺れの中で特定できるように限定していくことです。
この言葉の揺れの中から、間違いなく伝えたい一つのことに絞り込むように言葉を追加することが大切です。
言葉の揺れがあるにも関わらず、曖昧な受け取り方ができる状態で会話していると、聞いている人は言葉の揺れの中でどれか迷いながら会話することになります。
聞き手に余計な負担をかけないことと、誤解される隙を失くすために言葉の揺れは極力避けるほうが良いと思います。