医師・弁護士が難しかった理由

医師・弁護士は昔から難しい職業の1つでした。

その理由を考えてみました。

医師・弁護士共に莫大な量の知識を覚える必要があったため、その確認方法である国家試験は難しいものとまりました。国家試験の合格が難しいため、医師・弁護士は難しいものとされました。また独占業務があるため、需要と供給のバランスから高報酬となり、不況の影響もあって希望者が殺到して更に難しくなりました。弁護士は需要が増えることを見越して合格者を増やしましたが、予想された程需要は増えず、余りつつあります。人工知能がかつての弁護士の仕事を肩代わりしていることも一因だと思います。

では何故膨大な量を覚える必要があったのでしょうか?つまり国家試験が難しかった合理的理由を考えてみました。

人間の頭脳以外に検索システムが無かったから

医師の診察や弁護士の弁護には、医学書や判例集など本にして何冊にも及ぶ膨大な情報から適切な情報を探し出す必要がありました。処理する内容が多く瞬時に探し出す必要に迫られるため、この要件を満たす検索システムとしては人間の頭脳しかなかったのです。

医師は患者さんの病状から当てはまる病気を過去の情報から探し出す必要があるのです。

弁護士は依頼者の要望から過去の判例の中の適切なものを探し出して、依頼者の利益になる方法を見つけることが仕事です。

昔の中国の公務員試験、科挙が暗記を重視したのも同じ理由です。

これからの医師・弁護士に求められる能力

他に選択肢が無かったから止むを得ず、人間の頭脳による検索システムに頼っていただけで、科学技術の進歩により人間の頭脳に頼る必要は無くなりつつあります。優れた検索システムが人間の代わりになりつつあります。事実弁護士の仕事での過去の判例の検索においては、人工知能が活用され始めているそうです。

最善の検索システムの地位は人間の頭脳では無くなった今、医師・弁護士に求められる能力は別のものになるべきだと思います。残念ながらまだ多くの人達が気付いていないのかもしれません。