依存症の患者さんは意思・自制心が強い?
不思議なタイトルです。
私も日経サイエンス 2015年 08 月号 [雑誌]の記事を見つけた時には意味不明でした。
依存症の患者さんは一般的に意思・自制心が弱いと考えられています。
その一般的な考えとは大きくことなり依存症の患者さんは意思・自制心が強くないとつづけられないという考え方です。
認識が違うのは視点が異なるから
意思・自制心が強い弱いのとらえ方が異なるのは、依存の方はやるかやらないかの2択ですが、依存ではない方はやめるのが当たり前という1択なのです。
依存の方はやるかやらないかの2択で、続けることを選択しています。
依存ではない方は続けるという選択肢は存在せず、やめるのが当たり前と考えているので認識がずれてしまうだけのことです。
多くの人がやめるのが当たり前で、やめる意思だけで意思・自制心を評価しているのです。
タバコを続ける人にとっては続ける意思・自制心が問題という考え方です。
依存にも意思・自制心が必要
依存を続けるにも意思・自制心が必要とされるというものです。
どういうことでしょうか?
ニコチン依存の患者さんで考えてみましょう。
タバコを吸うことで生じるニコチン依存症ですが、タバコはいたるところで禁止されています。
吸うためには時間・場所・タイミングを合わせる必要があります。
禁煙の場所でタバコを吸う人は意思・自制心が弱いと言えますが、禁煙の場所では我慢し、喫煙所を探してタバコを吸うのは意思・自制心が強くないとできないそうです。
続ける意思・自制心が強くないと、面倒くさくなって禁煙してしまうということです。
増税で禁煙できる人は意思・自制心が弱い?
増税という財布の痛みを伴う障害があっても吸い続ける人の方が意思・自制心が強いのです。吸い続けるという方向ですが。
増税されると嫌になってやめてしまうのは、増税分タバコ代がかかることを他で節約するのが面倒な人と考えることができます。そこまでタバコを続ける意思・自制心が強くはないのです。
依存の方はそもそも続けるかどうかを考える!
依存の方はそもそもやめることは考えていません。
いかに続けるかどうかを考えているのです。
依存状態ではない方と会話が成り立たないはずです。
別に依存の方を責めるわけではありません。(私も様々な依存状態でした)
依存を抜け出したいと思うなら、やめたほうがお得な情報を自分で探し出して、より多く知ることだと思います。