自己免疫性疾患とアレルギーの関係(仮説)

現時点では自己免疫性疾患とアレルギーは別の疾患として認識されています。自分の身体の細胞や組織に対する免疫異常は自己免疫性疾患、花粉や食べ物など外的要素に対する免疫異常はアレルギーとして認識されています。

色々考えているとアレルギーも自己免疫性疾患の一種で、アレルギーそのものの解釈を間違えているのではないかと思うようになりました。原因不明ながら自分の細胞に対して免疫細胞が反応してしまうのが自己免疫性疾患ですが、アレルギーも実は自分の細胞に対して免疫細胞が反応していることを観察しているのではないかと思います。
例えばアトピー性皮膚炎では皮膚の細胞、蕁麻疹であれば白血球の一つである肥満細胞、花粉症であれば目や鼻の粘膜細胞に対する免疫異常ではないかと考えています。他にも食物アレルギーは腸粘膜細胞、気管支喘息は気管支の細胞に対する自己免疫を生じていると考えると物事が単純に理解出来ます。あくまでも仮説ですが、この機序で自己免疫性疾患が生じているとすれば、糖質を控えることで自己免疫性疾患も各種アレルギーのように改善が期待できます。

アトピー性皮膚炎は皮膚のダニ・ホコリに対するアレルギーと言われていますが、本当でしょうか?確かに血液検査をすれば皮膚炎の症状に応じて、ダニ・ホコリの数値は高く結果が出ます。そのことをもって原因とされています。ダニ・ホコリが原因であればダニ・ホコリの環境が変わらなければ症状は変わらないはずです。しかし現実は糖質を控えるだけで症状は改善します。ダニ・ホコリの環境は特に変わらず、症状が改善するのであれば原因ではない可能性が高いと思います。

血液検査は皮膚炎が悪化し、皮膚に付着したダニ・ホコリをさらに掻き壊すことで感作が成立してしまった結果を観察しているようです。恐らく汗も同じ機序で感作が成立しているのだと思います。本来であれば皮膚の上皮細胞によるバリア機能により、ダニ・ホコリが皮膚に付着しても感作は成立しないはずですが、自己免疫による皮膚炎がバリア機能を破綻させ感作を成立させてしまいます。ダニ・ホコリが付着した皮膚を掻き毟ることで感作を増強し、免疫反応も引き起こすため皮膚炎は悪化します。ダニ・ホコリは2次的なもので皮膚細胞に対する自己免疫性疾患と考えると辻褄があいます。感作が成立した程度を血液検査で確認していただけなのです。そのため皮膚炎の程度とダニ・ホコリの数値が相関するのは当たり前のことです。

ダニ・ホコリ、汗は感作が成立しているため悪化因子ではありますが、アトピー性皮膚炎の原因ではありません。原因であれば糖質を控えるだけではアトピー性皮膚炎は改善しないはずだからです。

原因と結果の取り違えは、2型糖尿病において血糖値が高いことが原因だと考えられていたことに似ています。血糖値が高いことが問題なので血糖値を下げる治療法が模索されました。そもそも糖質を取り過ぎたことが原因なのですから、取り過ぎの結果でしかない血糖値だけを下げたところで根本的な解決には至りませんでした。

他のアレルギーとされている疾患も、実は自己免疫性疾患の一症状で偶然感作された悪化因子を原因だと取り違えていると考えると辻褄があいます。食物アレルギーも腸粘膜に対する自己免疫によって未消化のペプチドやタンパク質を吸収し感作されてしまうから食物アレルギーを生じると考えると辻褄があいます。それぞれのアレルギーも同じような機序で感作されていると考えると、辻褄があいます。

糖質を食べることにより血糖値が上昇することで各種疾患を生じるようです。血糖値の元となるブドウ糖は分子構造が単純すぎるので免疫機能に影響を与えることは難しいと思います。そこでブドウ糖がタンパク質と結合することで生じる糖化産物が免疫機能に働きかけるのだという仮説を立てました。免疫機能を亢進させれば自己免疫性疾患(アレルギーも含む)、抑制すればニキビやイボなどの慢性感染症や腫瘍性病変を生じると考えます。どのように免疫機能に影響を与えるのかはわかりませんが、糖質を控えることで多数の方の病気が改善していることを受け止めるとこう考えるしか私には理解出来ません。全く見当外れの仮説かも知れませんが、原因不明の疾患であれば糖質を控えてみる価値はあると思います。特にアレルギーを含む自己免疫性疾患など、何らかの免疫機能の関わる疾患であれば効果は期待できると思いますので、糖質回避教も一度考えてみて頂いてはいかがでしょうか?

 

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。