食べ物への依存と食べ物の快楽への依存の違い

自ら栄養を作り出すことの出来るミドリムシを除いて、全ての動物は食べ物を食べなければ生きることは出来ません。その意味において動物は食べ物に依存して生きているのは間違いありません。

人間も動物ですから当然食べ物を食べなければ生きることは出来ません。人間も食べ物に依存して生きていることも間違いありません。

ここで誤解している人がいますが、だから食べることは仕方のないことだと言い訳する人がいます。食べ物に依存していることと、食の快楽に依存していることは別問題です。

食べ物に依存しているのは全員、食べ物の快楽に依存している人は一部です。わかりやすい快楽への依存は見た目でかわる肥満や飲食店での行列です。

更に食べ物への依存と食べ物の快楽への依存では意味合いが異なります。食べ物への依存は食べ物に頼っているという意味で、快楽への依存は程度にもよりますが、度が過ぎると依存症の診断基準を満たしてしまいます。快楽を追い求めることを優先してしまい、自己抑制がきかなくなることで食べ物に傾倒してしまうのです。

食べ物の快楽への依存と表現しましたが、食べ物の中でも特に糖質に依存しているようです。糖質だけでなく食べ物全般に快楽を見出し、依存する人もいるとは思いますが、多くの人は糖質に対する依存(糖質依存)のようです。糖質依存には強い空腹感という禁断症状もあります。依存対象の糖質の血中濃度である血糖値が下がることで、禁断症状を引き起こすようです。

ちなみに辛いものが病みつきになるのは、唐辛子のカプサイシンを打ち消すために出る脳内麻薬に対する依存のようです。

食べ物に対する依存ではなくても、食べることに対する依存もあり得ます。美味しい食べ物や高い食べ物に対して快楽を感じる心理に起因します。お金という制約があるので、このような心理に陥っても問題となることはほとんどありません。多くの人ら美食家として羨ましがられるだけですが、収入とのバランスが取れていない人は周囲に浪費家として認識され、収入が減った際に立ち行かなくなってしまうようです。冷静に考えれば収入が減れば、生活の質を落とすのは当然ですが、食べることに依存していると質を落とすことが出来ないため苦労してしまうようです。

食べ物には栄養補給と楽しみ・快楽としての意味がありますが、楽しみや快楽を優先してしまっていると依存してしまう可能性があります。怖いのは自覚症状がないままに依存に陥っていることがあるからです。

食べ物に対する認識として、栄養補給と楽しみとは一度分けて考えてみると良いのかもしれません。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。