罰則主義の限界

現在多くの国々は法治国家です。
法律によってやってはいけないことが制限されています。
法とは決まりこと・規則のことで、律は破った場合の罰則のことです。

罰則主義は怒られるから○○してはいけませんという親のしつけと同じです。
本来なら怒られるから○○してはいけないのではなく、誰かを傷つけるからか誰かを不快な思いをさせるからしてはいけないはずです。
怒られるからしてはいけないということを裏返せば、怒られなければやって良いということにつながります。
このように育てられた子供はうまく隠してばれなければ良いと誤解しています。
つまりやってはいけないことを学ぶのではなく、見つからなければ良いことだと学んでしまうのです。
(非常に残念なことですが、親自身が見つからなければ良いと誤解している人もいます。)

不正の発覚したドイツの自動車会社は正に見つからなければ良いと考えて、検査の時だけ特殊な動かし方をしたようです。
明らかに騙そうとしているわけですから、法を犯しているわけです。発覚した法律違反に対して、罰則主義なのですから相応の罰則が必要なはずです。
わざわざ不正プログラムを作ったという事実は、詐欺的行為ではなく詐欺以外の何者でもありません。
(確か韓国では実際に裁判に訴えたとの記事も拝見しました)

よほど経営陣が無能でなければ、不正が発覚し法律に照らし合わせて罰則があったとしても不正をした方が得だと考えたはずです。(経営陣が賢ければそもそもこんな不正はしなかったでしょうが…)
その証拠に最大で課される可能性のある罰金金額を上回る対策費が既に手当されていると発表されていることです。
ばれても元が取れると考えて不正を行っている、詐欺の確信犯です。
取り締まる側は、このような不正は想定していなかったはずです。

ここで罰則が手ぬるければ、他のメーカーも真似してしまう危険性をはらみます。
真面目に取り組んでいるメーカーが損をすると考えてしまうと、ばれても大した損はしないから不正をしてしまう危険があります。

私は罰則とは別に、大手自動車会社の巨額詐欺事件として取り扱い、詐欺ですから契約を無効として対象車種全てにおいて利息も含めて全額弁済というのが再発防止を含めた妥当な対応だと私は思います。

自動車会社が倒産する危険があるから現実的には無理だという人がいますが、詐欺の被害者にとって会社の存続は関係のない話です。
詐欺師に対してその後の生活の心配をして逮捕しないというのはおかしな話です。

現時点では罰則主義なのですから、他の会社に対して再発防止になるような罰則が必要です。
不正なことをして信用を失うという不確かなものではなく、不正なことをすると明らかに損をする仕組みにするべきです。

更に信じられないことに、ドイツ政府は2011年には不正を認識していた可能性があるということです。

資本主義の限界でもあると思います。不正をしてでも利益を追い求めているからです。
会社の存在目的が利益だと誤解している企業は、これから淘汰されていくと私は思います。

利益は企業の為ならず

私の作ったこの諺が一言で表していると思います。利益は誰のためにあるのか、企業は誰のためにあるのかを考え直す時期にきていると私は思います。

そして正直者が馬鹿をみる世の中ではいけません。
自動車会社が世間の想定をこえる不正を行ったわけですから、自動車会社の想定を超える罰則を加える必要があると私は思います。

投稿者:

呉からの風

呉の医師です。 糖質回避教の推奨者です。 様々な分野で気づいたことを掲載していきます。 怒る必要のない子育てを掲載予定です。