知人から教えてもらった本です。
大変興味深く面白い内容です。
いくつか話題がありますが、小麦の中のグルテンが様々な害を引き起こしているという話です。
面白いのは筆者が神経学の医師なので神経疾患との関連を指摘していることです。
うつ病やADHD、アルツハイマー病などがグルテンを控えることで改善したと書かれています。残念ながらグルテンがどのように疾患を引き起こすのかは仮説も書かれていません。詳細はご一読いただければ幸いです。
私自身は神経にも影響があるとは予想していましたが、グルテンが病気の原因ではなく、炭水化物の高血糖が神経細胞を直接障害すると考えています。もしくは他の免疫異常と同じように糖質を多くとることで免疫系のバランスを崩し、脳細胞を攻撃する自己抗体を生じるのではないかという仮説を考えています。そのためこの『いつものパンがあなたを殺す』の内容のグルテンを糖質と置き換えて読んでいただければ、私の考えていることに近いと思います。特に日本人はパンよりもお米を食べるので、日本人にそのまま当てはまるかどうかは不明です。
グルテンは悪化因子なのかもしれませんが、原因は糖質だと思います。
ちょうどアトピー性皮膚炎のダニ・ホコリが血液検査では陽性で悪化因子ではあっても、原因ではないことと同じです。花粉症がスギ・ヒノキの花粉に対する血液検査で陽性で悪化因子ではあっても、原因ではないことと同じです。
この本では検査で陽性のみ書かれているので何の検査かは想像の域を出ませんが、恐らくIgEという抗体を調べたものだと思います。恐らくグルテンに対する抗体を調べたら陽性だったので原因だと考えられ、除去をされているのだと思います。
幸いグルテン除去で病状は改善しているとのことですので、グルテンが関係あることは確かなようですが、そもそも糖質そのものを食べなければグルテンにも反応しなくなるのではないかと思います。(自己免疫で皮膚をターゲットにすればアトピー性皮膚炎、気管支をターゲットにすれば喘息、粘膜をターゲットにすれば花粉症、腸粘膜をターゲットにすれば食物アレルギーを生じていると考えています。その食物アレルギーの一つの形としてグルテンに対して反応していると考えます。参考:自己免疫性疾患とアレルギーの関係(仮説))
グルテンが問題なのか糖質が問題かは別にして、食べ物を選ぶことでうつ病やADHD、アルツハイマー病が改善することがあるようです。
私は認知症に糖質が影響を与えると予測しているので、食べ物が精神疾患に対する影響を示唆する内容は心強い限りです。
ちなみに私が糖質が認知症に対して影響があると考える根拠は、ブドウ糖が神経細胞を障害することの蓄積が認知症を引き起こすという理屈です。
もしこの本に興味があれば読んでみてください。